暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第2部
江戸日常編
第36話 新キャラと新展開は突然起こる
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れ、何か変なボタン押しちゃった」

 なのはが押したのは他のボタンと掛け離れた位置にある赤いボタンであった。
 押し込み式の良くありがちなボタンであり、それを拭いていた際に間違って押し込んでしまったのだ。
 突如、やかましいアラート音と共に赤いサイレンが発光を始める。

「おいチビ娘! 一体何を押した!」
「え? 何か赤い大きなボタンだけど」
「馬鹿野郎! それは転移ボタンだろうが! 今すぐその隣の緊急停止ボタンを押せ!」

 源外が慌てだす。現在の転移装置は応急処置をしただけなので正直言って転移出来る状態じゃない。下手すると何が起こるか分かった物じゃないのだ。
 急ぎ停止させなければならない。下手すると江戸その物が消えてなくなる危険性すらあるのだから。

「え〜っと、緊急停止ボタン緊急停止ボタン……これかな?」

 そう思いなのはが押し込んだのはすぐ隣にあった同じ大きさの青い押し込みボタンであった。
 それを押し込んだ途端、更に喧しいアラート音が鳴り響く。しかも今度は赤いサイレンに加えて青いサイレンまでもが点灯を始める。

「おいぃぃぃ! 何て事してくれたんだチビ娘!」
「え? これ緊急停止ボタンじゃないの?」
「違ぇよ! それは俺が新しく取り付けた逆転移ボタンだよ!」
「逆転移?」

 転移装置の弱点と言うのは転移装置同士を連結する事で初めて転移が可能となるのだ。
 しかし、今回源外が取り付けたのはそれらをしないで強制的に相手をこちら側に呼び戻す事が出来る逆転移ボタンと言うのを作ったのだ。
 これを用いる事で不足の事態に陥った際にも転移した人間を強制的に元の世界に呼び戻す事が可能となったのだ。
 しかし、言わずもかなこれもまた試作状態なのでちゃんと機能するかどうか正直言って怪しい所なのだ。それに誰も転移していない状態でそんなボタンを押してしまったのだ。何を持って来るか分かった物じゃない。

「ちょっと、これってヤバイんじゃないんですかぁ?」
「ちょっとじゃねぇよ、こりゃかなりヤバイだろ? だってサイレン鳴りっぱなしだよ。やべぇよ、このままじゃ俺達全員屍人になっちまうよ。目から赤い水垂れ流しちまうよ」
「嫌アル! 私まだ死にたくないアルよぉ!」

 流石にやばそうな空気を肌で感じ出した三人も慌てだす。そして、装置を知っている源外に居たっては頭を抱えて泣き叫ぶ始末である。
 そして、押した張本人であるなのはは一体何がどうなってるのか分からず、ただただ呆然としているだけであった。
 そして、装置の内側から突如閃光が発せられる。白熱の光はその場に居た者達全ての視界を白一色に染め上げていく。
 白色の闇が晴れたのはそれから実に数秒が経過した後の事だった。
 目の痛みがまだ残るが、皆同じように目
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