崑崙の章
第10話 「ああ、また柱が!?」
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る。
そして、どさっと椅子の足元にその麻袋を置いた。
「ずいぶんと大量に買い込みましたのね……必要なものなのですか?」
「ふう……え? いや、これ全部北郷から頼まれたものだぞ?」
「え?」
わたくしがその麻袋を見る。
まるで米俵のような大きさの麻袋がそこにある。
「何がはいっているんですの?」
「んー……それがよくわかんないんだ。俺が知るような薬草や薬の元もあるが……見たこともないような食材を詰め込んでいた。それでもまだ足りないらしい」
そう言って麻袋を開けてごそごそと探る華佗さん。
預かり物なのにいいのかしら?
「ほら、例えばこれ。胡蘿蔔というはるか西から伝わったものだ。こいつはこの小さな実の中に、驚くような気が内包されていてな。滋養強壮だけでなく、他の薬草の効果をも強めてくれるという俺もよく使う薬草なんだ」
「これが薬ですか……」
「ああ。これに似た実が大きな胡蘿蔔もあるが、そちらは薬用ではないけどな。本当は薬用でないそちらも欲しがっていたぞ」
「あらあら……」
薬の材料をそろえているのかしら?
「あとな……やたら大量に細かく袋に入れてあるんだが……たとえばこれだ」
そう言って取り出す布袋。
その中にはなにかの葉っぱと茎が入っていた。
「こいつは桂皮と呼ばれるものだ。身体を温めて、腹痛を治す効果もある」
「これも薬になるんですか?」
「ああ。こいつは俺もよく使うからな。ほかにも……こいつは丁香という西南から伝わる薬の元。こいつは、肉荳?という薬にも毒にもなるものだ」
「毒!?」
い、いったい何を作る気なんですか、盾二様!?
「俺にもよくわからんが……他にもいろいろ揃えると言っていた。一体なにをする気なのか……」
「……わたくし、今日は夕餉を抜こうかしら?」
わたくしと華佗さんはそろって顔を見合わせる。
一体何が出来るのでしょう?
―― 華佗 side ――
その夜。
北郷が「俺が飯を作るよ」と厨房へ飛び込んだ。
本来、ここは厳顔の領地。
俺とて本来、歓待するのは厳顔の役目だと思うのだが。
何故かものすごい勢いで料理を作ることに情熱を燃やす北郷。
一体、何があいつをそこまで動かしているのか?
「まあ、料理人には別に飯を作らせているからいいんじゃが……一体、どうしたというのだ、あやつは?」
「わたくしにもわからないのよ……なにかものすごい勢いで市場を駆け回っていたのだけど」
厳顔と黄忠が、お互い困惑しながら酒を飲んでいる。
目の前には城の調理人が作った豪華な食事がおいてある。
普段こん
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