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一日目(5)
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!?」

「ほざけっ、今こそ俺にさっきの恩を返す時だろうが!」

 なんてこった、悠哉がこんな奴だったとは……見損なったぜ!……ん?あれは………
 視界の隅でそろりそろりと動く同級生がいた。

「ってお前も遅刻かよ、善則!!」

 気付けば追いかけっこをしている僕たちの後ろで気付かれないように忍び足をしていた善則が全身で何バラしんてんだよ!とジェスチャーで訴えてくるが、とき既に遅し、教頭は振り返り、善則の存在に気付いた。

「小島、貴様もか……」 

「ちきしょう!大樹ぃ恨むぞぉ!!」&「でかした大樹ぃ!」

 僕達二人は教頭に捕まる善則を確認した後実験室へと駆け込んだ。
 そう僕たちは勝ったのだ、犠牲は出たが、それが戦いというもの、仕方のない事さ……

「おいそこの二人、教頭が呼んでるぞ」

 だけど辿り着いた実験室で待っていたのは残酷にも勝利の美酒ではなく携帯片手の担当の先生による容赦ない死刑宣告だった。

 マジかよ………


  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 三人仲良く指導室に連行された僕たちは長時間にわたる説教を受けていた。
 くそう、遅刻しただけなのに何だこの仕打ちは、この教頭め、頭禿げてるし中身もスッカスカなんじゃないのか。

「そうか峰岸、反省文が書きたいのか」

 あれぇ何かご立腹だぞ?何でだろうか。

「お前の症状って絶叫するだけじゃなかったんだな」

 隣でムスッとしていた善則が呆れたように僕を見た。
 何の事だろう。

「それの事だよ大樹、お前は考えてるだけかと思っているみたいだけど口から駄々漏れだぞ、『この仕打ちは』のくだりから」

 え?考えが口から漏れてる?えっと、『この仕打ちは』の次に考えた内容は………

『この教頭め、頭禿げてるし中身もスッカスカなんじゃないのか。』

 ………………なるほどねぇ


「むぅおうしわけっっっありませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 人生最初の土下座だった。


  キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

 そしてタイミングよく三限目終了のチャイムが響く。
 運命の昼休みまで残り一時間を切った。

 ………なのにまだ開放される見込みは無い。


  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ぜぇぜぇ……よし、つい…ごほっごほっ…た……」

 あの後、四限目が始まるチャイムで僕たちは解放されて(僕だけ反省文)、やはり授業にも遅刻し、四限目終了後にもその担当の先生に呼ばれている内に時間は刻一刻と過ぎていった。
 そして校舎裏に辿り着いた時には昼休みになってから二十分が経過していた。いくらなんでも遅すぎだ、絶対唐橋さんの方が先に着いているだろう。

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