暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン パースペクティブ
第一話 クレイジー・フォー・ユー
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オンラインゲームでは、敵を倒しに、冒険に出ることをそう表現する。

ハルの方をみると、なにやら左手を動かして、ウィンドウを操作していた。
しばらく眺めていると、俺の方になにやら画面が表示された。

<<HAL から1vs1デュエルを申し込まれました。 受諾しますか?>>

こっちを見て、ニヤリとする。こいつ・・!
ハルに笑い返す。「YES」だ!

<はじまりの街>を背にして二人で立つ。初撃決着モード。
頭上にデュエル開始のカウントダウンの数字が表示されている。
3,2,1・・ ゼロになると同時に駆けだした。

ハルが走りながら剣を振りかぶる。俺はそれをいなしたり、受け止めたり。体が軽い。
通常、短剣で普通の剣と打ち合ったりすれば、
重さの関係ですぐにハジかれてしまいそうなものだが、そこはゲーム。
補正されているのだろう。受け止めるときに多少の重さは感じるものの、
まったく勝負にならないということはなかった。
右、右、左、左。お互いにわざとらしく大振りし、剣の感触を楽しむ。
ときおり剣先が軽く触れてダメージを受けるも、痛みという痛みはほとんど感じなかった。
SAOには(記述方法)痛みを調節する仕組み(ペインアブソーバ)がある。それのおかげだ。
じゃれているうちに、フィールドの一番はしっこまで来てしまった。
その時、上段に剣を構えていたハルの体が青く輝いた。一瞬ポカンとした俺は、あわてて防御姿勢をとる。だが遅かった。

ズバンッ!!
閃いた剣は、目にもとまらぬ速さで振り下ろされた。
まぬけに掲げた右手の短剣ごと斬られて、俺は吹っ飛んだ。

必殺技ぁ!?
「な・・んっだよ、それぇぇぇ!!」笑いながら言った。
「なんなんだろうねー!!」ハルも腹を抱えて笑い転げている。

やがてハルはフィールドのふちに足をかけると、
「ソードアートオンライン、さいっこー!!」
両手で拡声器を作り、大声で叫んだ。
<winner>と表示された文字が、ハルのわきにふよふよと漂っている。
叫んでもやまびこは返ってこない。「最高!」と呼んだ声はひびいて、蒼穹の向こうに消えた。
デュエルの結果。勝者ハル、敗者オレ。
なっとくがいかない。

それからは二人してモンスター相手に「必殺技」の練習に励んだ。
暗くなる前に街へ戻った。やがて夜が来る。

街に着くなり、ハルはウィンドウを開き、そして言った。
「ちょっと呼ばれちゃった。言ってくるね」
この世界にもメールのようなものがあるのだろうか。どうやら呼び出されたらしい。

見送った俺は、広場へ向かった。
さっきは慌ただしくてロクに見ても回らなかった。じっくり街を歩いてみよう。

路地を通って広場へ出る。視界が開けてすぐ、俺は異変に気付いた。
空気
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