第一幕その四
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ーはこの二つの歌を聴いていた。どちらの歌も一段落ついたところで呟いたのであった。
「私は。この世界に戻って来たのだ」
「我が主よ」
「そう、主だ」
巡礼の言葉に今この世界のことを実感した。
「主によって私は救われるのだ。聖女によって」
跪き静かに祈りはじめた。巡礼も牧童もその声を森の中に消していった。やがれ森の中に狩人の服を着た立派な男達がやって来た。彼等はすぐに祈っているタンホイザーに気付いた。
「むっ!?」
最初に気付いたのは先頭の初老の男だ。濃い立派な口髭を生やし非常に大柄で立派な体格をしている。左手に持っている弓が小さい程だ。
「あれ一体」
「伯爵、一体」
「どうされました?」
「あれだ」
この男チューリンゲン辺境伯であるヘルマンはここでその男を指差したのであった。
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