暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第36話 オレンジギルド
[2/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ます」
彼女は、涙を流していた。その涙は直ぐに硝子片、青い結晶となって宙に無情にも消えていくが、それでも留まる事が無い。
躊躇している者達が多い中、リュウキは自然と彼女の方に脚を向けた。
これが今回事件の始まりだったのだ。
あの女性から、全ての話を訊いた後、リュウキは、転移門広場にあるベンチで座っていた。
「………決して、安くは無いだろうに」
リュウキはその手に握られたのは青い結晶。転移結晶とは違い、半透明の青い結晶の中に幾つかの赤い宝石が組み込まれている。これは、回廊結晶。
通常の移動系の結晶とは違う性能を持っている結晶。
転移結晶は 指定した街の転移門まで使用者1人を転送する事ができるだけだが、回廊結晶は、任意の地点で記録し、そこに向かって瞬間転移ゲートを開く事ができるのだ。
それも1人だけ、と言う訳ではなく、複数送る事ができる。極めて便利と言える移動系アイテムの1つだ。
その性能 故に 今現在、最前線での層 69層でも街中では売られていない。
入手方法は、モンスタードロップか、或いは迷宮区のトレジャーボックス。だから、それ以外に手に入れようとするなら、後は所持しているプレイヤー間での交渉のみだ。
だからこそ、相手によっては、高額な値段をかけてくる。
だが、定価というものが無い高価なアイテムだからそれも仕方ないのだ。
値段事情はある程度知っているリュウキ。そして 彼女の装備の身成から推測して 恐らく中堅層のプレイヤー。だから、……全財産を投げ打ったのだろうと言う事は直ぐに判った。。
彼女達のギルド≪シルバーフラグス≫最後の全財産を。
「下衆が……」
リュウキは思わず、回廊結晶を握りつぶしかねない力で握り締めた。
アイテムなので壊れたりはしないが。リュウキは彼女の無念を聞いて、怒りを露にしていた。この世界に囚われているようなこの状況。ここに囚われている皆が、互いが同じ立場なのに関わらずだ。まるで、蛭の様に身体にまとわりつき、生き血を啜るような者達がいる事に怒りを覚えてしまう。好き嫌い以前の問題だ。目の前に居れば、有無言わさず叩き斬りたい、と思う程に。
そんな時だった。
「……リュウキ」
リュウキは、ベンチで座り 結晶を握り締めていた所で呼ばれた。
顔を上げると、目の前に立っているのは、あの黒の剣士。
「……なんだ、キリトか。……ん」
リュウキは キリトが来た事に気づくと同時に、その手に持っていた物にも気づいた。キリトも自分と同じ様に、何かを握っている。
リュウキと同じ輝きを持った結晶。
「……その回廊結晶。どうしたんだ?」
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ