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「ただいま〜」

 栗原(くりはら)清文(きよふみ)は、恋人の杉浦(すぎうら)琥珀(こはく)を彼女の家へ送り届けて帰宅したところだった。

 もう外には夜のとばりが訪れて、空には満月が輝いていた。

「ん?」
 
 清文は、月光に照らされた一枚の白い紙がポストに挟まっているのに気付いた。取り出してみるとそれは封筒で、そこにはそれはそれは雑な字で『栗原清文様』と書いてあった。

「俺へ?誰から……」

 清文はその裏に書いてある名前を見て――――――





                  
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「き、休学!?どういうことよ!」


 琥珀はその日、いつものように清文の家の前で待っていた。しかし、いつまで待っても清文は出てこない。インターフォンを鳴らしても出てこないため、寝坊しているのかと思い仕方なく先に登校したのだ。

 しかしいつもは清文と一緒にいるはずのメンバーの中に、清文の姿はない。

 仕方なく陰斗と秋也に清文を知らないかと聞くと、帰ってきた答えは。


「き、休学!?どういうことよ!」
「俺達が知りたい。清文の姿が見えないから先生に聞いたら、昨日の夜、休学届を出しに来たっていうんだ。琥珀なら何か知ってるかもしれないと思ったのに……」
「昨日の夜は清文(セモン)のところにいたと僕も秋也も思ってたからね。違ったの?」
「ち、違うわよ」
「俺は思ってないぞ」
「そう?」


 そう、休学。清文は休学届を出して、忽然と姿を消したというのだ。

「けど休学なんて……何で急に?清文の成績なら進路とかは問題ないんじゃ?」
「国語力には著しい劣化が見えるが……。まぁそこは差し置いても比較的いい方だろう」
「君みたいに規格外じゃないけどね」

 となると、成績面での問題ではないようだ。

「……駆け落ち?」
「ばかな!あの清文(セモン)に限ってそれはないよ!この僕が保証する。それに、昨日はコハクと一緒にいたんでしょ?」
「よ、夜は一緒にいなかったわよ!でも昼間はずっといたわよ?それに、その……き、キスもしてくれたもん……」

 色恋沙汰ではない。

「お別れの挨拶だったのかもな」
「不吉なこと言うね秋也。そろそろ刹那呼ぶよ?」
「!!そ、それだけはご勘弁を」

 陰斗の妹・天宮刹那に関してちょっと嫌な思い出がある秋也は顔を真っ青にして停止。

「清文……」

 琥珀のオレン
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