第35話 さよならを言う時は笑顔で言え!
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言葉を発してきた。銀時に向かいそんな事を尋ねてくる。
「おいおい、忘れたのか? 俺達はあれだよ。江戸に現れた毛むくじゃらをぶちのめしたからその懸賞金を貰う手筈なんだよ」
「毛むくじゃら? 何それ」
「はっ?」
何所かおかしい。何故なのはは毛むくじゃらを覚えていないのだろうか。
「なのは、大丈夫? 何所か痛む所とかない?」
やっと目を覚ました親友の身を案じ、フェイトが訪ねて来た。ゆっくりと、なのはが視線をフェイトの方に向ける。
互いの目線が交差する。フェイトが答えを待っていた。
「……誰?」
「え……」
「君、誰?」
「な、何言ってるのなのは。私だよ、フェイトだよ! 覚えてるでしょ?」
「ううん、知らないよ」
迷う事なく首を左右に振る。その様子から嘘をついているようには思えない。
しかし、確かになのはは言った。
君、誰? と。
「ど、どう言う事だい? 何でフェイトの事を覚えてないんだぃ?」
その後、様々な事をたずねてみた。フェイトだけでなく、アルフやユーノ、クロノやリンディ、プレシアやアリシアの事。
戦艦アースラや時の庭園の事。
海鳴市の出来事やこの世界に起こった出来事など。
それら全てを尋ねてみた。だが、その返答はどれも同じだった。
「知らないよ。何それ?」
であった。
激闘を終え、喜びに満ち溢れるメンバー達の前に現れた悲報。それは、なのはがこの世界に関する全ての記憶を失っていた事だった。
***
「恐らく、ジュエルシードが起動した際の後遺症だと思われます」
なのはが記憶を失くした原因。それは恐らく起動したジュエルシードに関連すると推測された。
まだ記憶消去の処置が施されて無いのにこちら側に関する記憶の殆どがなくなっている。
考えられる事とすればジュエルシード以外には考えられない。
それが推測の理由であった。
「それじゃ、僕達の事も忘れちゃったんですか?」
「いや、江戸の事は覚えてるみたいだ。現に俺の事をお父さんと呼んでたし、新八や神楽達の見方がフェイト達とは違ってた」
どうやら失ったのは海鳴市と魔法に関する記憶。そしてフェイト達との思い出だけのようだ。
幸い江戸の関する記憶は失ってないようでもある。
だが、それに関して一番辛い思いをしていたのはほかでもない。フェイトだった。
「フェイト、かなり落ち込んでたなぁ」
「無理もないよ。親友だと思ってた人からいきなり【君、誰?】だもんね」
其処には新八も同情した。だが、これでなのはが管理局に狙われる心配はなくなった。
そう思うと銀時は少し安心出来た。
「ま、何はともあれこうしてあの栗毛
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