暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第35話 さよならを言う時は笑顔で言え!
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 そんな二人であるが故かどうかは分からないが、不思議と話の馬が会った様だ。
 外が騒がしかった。仕切りに外で走り回る音がする。
 一応防音処置を施してはあるが、それでも振動で音が伝わってくるのだ。

「んだよ五月蝿ぇなぁ」

 音の真相を確かめるべく、扉を思い切り開く。その際に、何かが扉に思い切りぶつかる感覚と【ぶっ!】と言う少年の声が聞こえた。
 それからすぐに床に倒れる音がした。
 尚、扉の形が違うと言うツッコミはこの際無しの方向で。
 一体何がぶつかったのか確かめる。其処に居たのは真っ赤になった鼻っ柱を抑えるユーノの姿があった。

「おいおい、何慌ててんだよ。小便でも我慢してたのか?」
「ち、違いますよ! なのはが、なのはが目を覚ましたんですよ!」
「それを早く言え!」

 聞くや否や、脱兎の如く駆けて行く銀時。すぐさまその足は医務室へと向った。
 室内には既に顔見知りの者達が沢山来ている。
 その者達がなのはの寝ていたベットの回りに集まってきている。

「おいおい、お前等俺を差し置いて何集まってんだよ。サークルで仲間外れにされた奴の気持ちとか考えた事あるかぁコノヤロー」
「知りませんよ」

 サラリとツッコミを入れる新八。そんな訳で銀時が来たと分かると皆道を譲ってくれた。
 その中を進み銀時がなのはの目の前に歩み寄る。一応起き上がってはいるがまだ目の焦点があってない。
 意識が朦朧としている状態なのだろう。

「医者の話だと、もう大丈夫だそうですよ」
「そうか、これで一安心だな」

 ホッとする銀時。他の者達もなのはが無事に目を覚ました事を喜んでいる。
 
「さぁて、無事にこうして事も済んだ訳だし、そろそろ例の物を貰おうかぁ。真選組の皆さん」
「あぁ、例の物って何だよ?」
「惚けてんじゃねぇよ! 報酬だよ、ほ・う・しゅ・う! お前等言ってただろ? あの毛むくじゃらぶっ倒したら懸賞金出すって! 出せよゴラァ!」

 手を伸ばして催促する銀時。とことんがめつい性格だった。
 
「ちっ、そういやぁそうだったな」
「分かりましたよ。それじゃ土方さんの預金口座から全額引き降ろして構いやせんぜぃ。これが土方さんの通帳と印鑑でさぁ」
「ちょっと待て! 何でお前が俺の通帳と印鑑を持ってんだ!」
「いやぁ、こないだ土方さんの部屋に虎バサミ仕掛けようとした際にちょこっと失敬しといたんでさぁ」
「あぁ、なる程ぉ、そりゃ名案……な訳ねぇだろうが! 返せゴラァ!」

 通帳と印鑑を手に逃げ回る沖田を追い掛ける土方。とことん普段どおりの光景と言えた。そんな光景に誰もがあきれ返っている。

「ねぇ、懸賞金って何? お父さん、何か仕事あったの?」
「へ?」

 すると、なのはが突然
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