第35話 さよならを言う時は笑顔で言え!
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い。下手したら部下揃って首を括らされる危険性すらある。
それを危惧してのことだったのだろう。上の立場に居る人間とは大変な物だ。
「分かったよ。裁判の時になったら俺を呼べ。必ず無罪を勝ち取ってやるよ」
「感謝します。それと、もう一つお話が……」
「何だ」
尋ねながら銀時は不安が胸を過ぎる感覚を覚えた。クロノの声が半音下がったのだ。それはつまり、悪い知らせだと言う事になる。
「実は、なのはの事について何です」
「やっぱりか。で、何だ?」
「実は、彼女の記憶を消去しようと考えているんです」
「何!?」
銀時の顔がより一層険しい色になる。席から乗り出しそうになる気持ちを必死に押さえ込み、銀時はその場に座り続けた。
「何でまた、そんな事を」
「最後の戦い、どうやらそれを僕達の上層部達が見ていたみたいなんです。それで、上層部がなのはを管理局で管理すると言って来たんです」
早い話が隔離だ。元々人材不足の管理局だ。なのはの様な逸材を見て放っておく筈がない。必ず手駒に加えようとする筈だ。
また、それ以外にも用途は沢山ある。使いどころによれば相当の戦力になると計算しての命令だったのだろう。
だが、その命令をクロノは聞きたくは無かったようだ。
「禄でもねぇ話だな」
「僕や母さんも抗議したんですが、駄目でした。【あれだけの逸材を江戸などと言う野蛮な世界に腐らせる事など許されない。最悪の事態に備え我々で管理する必要がある】と返答されました」
「とんだ上辺言葉だな」
言葉の裏側に潜むドス黒い感情が丸出しだった。だが、幾らその命令が真っ黒な命令だったとしても、クロノやリンディに逆らう権利はない。
下手に逆らえば今度は自分達が危うい。
「それで、なのはの記憶を消そうと、言うのか?」
「はい、幾らなのはが逸材だったとしても、魔法が使えないのでは僕達としても彼女に手を出す訳にはいきませんから」
「だが、そうなるとなのははどうなるんだ? 俺達の事も忘れちまうってのか?」
「いえ、それは無いようにします。消すのはあくまでなのはの魔法に関する知識と、僕達に関する知識だけです」
「お前等に関する知識? するってぇと、海鳴市の記憶も消しちまう事になるのか?」
銀時の問いにクロノは頷いた。考えれば分かる話だ。幾ら魔法だけの記憶を消したと言っても、この世界の記憶があれば何かの拍子に魔法の記憶が蘇る危険性がある。その危険性を排除する為に海鳴市に関する記憶を全て消去する必要があったのだ。
「フェイト達にはその事を話してあるのか?」
「いえ、後で僕の方から言っておくつもりです」
「そうか、大変だな。憎まれ役ってのは」
「もう、慣れっこですよ」
苦笑いを浮かべるクロノ。この若さで相当苦労
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