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駄目親父としっかり娘の珍道中
第35話 さよならを言う時は笑顔で言え!
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「有り難う御座います。それと、此処だとあれなんて……」
「あぁ、はいはい」

 渋るクロノが何を言いたいかはすぐに理解出来た。出来れば銀時と二人で話しがしたいと言うのだ。
 面倒臭そうに頭を掻き毟りつつも銀時は席を立つ。

「悪ぃ、ちょいと野暮用があるから俺席外すわ。新八、支払いは頼むぜ」
「此処支払い製だったの? ってか、これの支払い僕ぅ!」

 ツッコミを交えつつ叫ぶが俄然銀時は無視。そのままクロノと共に食堂を出て行ってしまった。
 そんな銀時を見て深く溜息をつく新八だったりした。

「苦労しているみたいだな。新八」
「えぇ、土方さんも相当ご苦労なさってるようで」
「お互いフォローは大変だぜ」

 万事屋のフォロー役である新八、真選組のフォロー役である土方。
 お互い同じ役割な為か意見が会うようだ。

「おやおや、二人揃って傷の舐め合いですかぃ? 見てて痛々しいですねぃ」
「誰のせいで俺達がこんなに苦労してると思ってんだゴラァ」

 睨みを利かせるが、沖田は全く気にしない。そっぽを向いて口笛を吹かす素振りを見せるなど、完全に舐めている。
 が、そんなんで一々目くじらを立ててては真選組副長などやっていられない。
 腹の底から出そうになる怒りを必死に抑え込む。

「本当、フォロー役ってのは大変ですね」
「あぁ、其処は否定しない」

 お互いにそう言葉を交わした後、これまで以上に盛大な溜息をつく二人であった。




     ***




「話って何だ?」

 誰も居ない場所と言えば此処位しかない。とは言うが、銀時自身何所か落ち着かない感じがした。
 何せ、その場所と言うのが取調室なのだから。
 お互い向かい合う形で席に座り、こうして話をする事となった。

「実は、銀さんに一つ依頼をしたいと思って呼んだんです」
「俺に依頼?」
「銀さん、弁護士とかの仕事ってした事ありますか?」

 いきなりだった。

「いきなりだな。まぁ、俺は見ての通り万事屋だ。やろうと思えば何でも出来るから心配すんな」
「感謝します」
「で、誰を弁護すりゃ良いんだ?」
「フェイト・テスタロッサです」

 その名を聞いた時点で銀時は眉を吊り上げる。憤りや不満じゃない。寧ろ疑念がそうさせたと言える。

「どう言う事だ?」
「フェイトはまだ子供とは言え、今回の事件の片棒を担いでいた事実は覆せません。一応僕達もフォローしますが、最悪実刑をつけられる危険性すらある。そこで、銀さんに依頼したいんです」
「つまり、フェイトの無罪を勝ち取って欲しい。そう言う事だな?」

 無言だが、深くクロノは頷いた。本来管理局に属する人間、それも執務官がこんな事をおおっぴらに頼める筈がな
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