第34話 思い出は遠き彼方へ・・・
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リシアと変わらぬ愛情を注げたものを。もっと早く気付けば、こんな事をせずに済んだものを。
全てが悔やまれた。そんなプレシアの頬をアリシアはそっと撫でた。
「大丈夫だよ。もう終わった。全部終わったんだよ」
「終わった……そう、終わったのね」
「母さん、行こう。私の居る所へ」
アリシアがそう告げる。すると、プレシアの体が黄金色の光に包まれていく。その光は、徐々にプレシアの体を光の粒子へと変えていっている。
「母さん!」
「フェイト、今まで貴方に辛く当たってしまって、本当に御免なさい。こんな事を言えた義理じゃないけど……私や、アリシアの分まで、幸せになって頂戴」
「母さん、行かないで! 行っちゃやだよ!」
「フェイト、このままでも私はもう長くない。それに、ジュエルシードの影響で、私の体はもう崩壊寸前の状態になってしまったの。本当に御免なさい。貴方に母親らしい事を何一つ出来なかった」
初めて、初めて聞く言葉だった。今まで自分を虐げ、虐待してきた母親から聞く優しい言葉だった。
その言葉を聞いたフェイトの目から、滝の様に涙が零れ落ちた。
止め処なく流れる涙。それを誰もが見ていた。
「プレシア・テスタロッサ。貴方のご息女は、私が責任を持って守ります。だから、どうか安らかに」
「有り難う。これで心置きなく逝く事が出来るわ。有り難う……そして、さようなら」
その一言を最後に、プレシアは消えた。黄金色の光となって、天へと登って行った。その後を追うかの様に、なのはの体から同じ様に黄金色に輝く少女が姿を現した。フェイトと同じ顔をした少女。彼女がアリシアだろう。
「さようなら、フェイト。私達は、ずっと貴方を見守ってるからね」
「うん、うん、元気でね……お姉ちゃん!」
最初で最後の姉妹の会話。それを交わし終えた後、アリシアもまた光となって消え去ってしまった。
光は天へと登っていく。その先に何があるのかは分からない。
だが、その光は見る者達全てに神々しさと、温かさを感じさせてくれた。
「約束……守ったよ……アリシア……ちゃ……ん」
戦いに終止符を打ち、友達の依頼を果たした後、なのははその場に倒れ伏した。糸の切れた人形の様に、その場に倒れ、そのまま意識を手放してしまった。
倒れたなのはの元に駆け寄る仲間達、そして、そんななのはを銀時が抱き抱えた。
「大したもんだよ、お前は。お前みたいな娘を持てて、俺ぁ鼻が高いぜ」
静かに、そして安らかに寝息を立てるなのはを見て、銀時は誇らしげにそう呟いた。
こうして、後にジュエルシード事件と呼ばれる戦いは幕を閉じた。
首謀者プレシア・テスタロッサは、遺体が無くなった為に死亡扱いとし、共犯となっていたフェイト・
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