第33話 絆の数字は【4】
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いつは俺の娘だ。あいつを信じろよ」
そう言って笑みを浮かべてみせる。だらしない顔からの笑みだったが、その笑みが何所か頼もしく見える。そう思うフェイトだった。
***
ほぼ完全回復したなのは。これで再び戦うことが出来る。だが、その先に勝利がないと言う事をなのはもまた理解していた。
確かに怪物もダメージは負っている。だが、これを繰り返すだけでは勝利には辿り着けない。完全な勝利を勝ち取る為にはやはり魔法を使うしかないのだ。
だが、今のなのはに魔法の知識は殆ど無いと言える。ほぼ無知の状態なのだ。
どうする? どうやって戦う?
只殴る蹴るだけでは怪物にダメージを与える事は出来ても倒す事は出来ない。もっと決定的な一撃が欲しい。そう思えていた。
「なのは、落し物だぞぉ!」
「え?」
突如聞こえた銀時の声と共に投げつけられたのは何時落としたのか、なのはが最初に持っていたデバイスだった。それを受け取ると、其処には銀時以外の誰もがこちらを見ていた。
「お父さん、それに皆!」
「何悩んでるんだよ。戦い方なんて教わって覚えるんじゃねぇ。今までの経験から自分の戦い方を構築していきゃ良いんだ」
「今までの経験から……」
なのはの脳裏に蘇る戦いの記憶。銀時、新八、神楽、真選組、それに加えてこの世界で知り合った者達の戦い方。それら全てが頭の中を過ぎっては消えて行く。
これが戦いの経験と言うのだろう。
「何となく分かるよ。お父さん!」
「そうか、だったら行って来い! お前の背中は俺達が守ってやる。今までとは逆にな」
「え?」
銀時の言葉になのはは首を傾げる。今までとは逆? 一体どういうことだ?
「お前は何時もそうだったな。俺達が好き勝手暴れられるように後ろから見守っててくれた。今度は俺達が見守っててやる。だから気兼ねなく暴れて来い! 万事屋四人目として恥じないように、悔いの残らないように戦って来い!」
「万事屋……四人目?」
「そうだ、お前は俺達万事屋に欠かせない四人の仲間だ! 俺達の家族だ。そして、俺の娘だ! だから思い切り行って来い! お前の思い描いた戦いってのをやってみせろ!」
言い終えた後に見せる銀時の笑み。その笑みが今までなのはの中にあった暗雲を振り払ってくれる思いがした。戦い方なんて知らなくて良い。魔法なんて戦いの中で覚えれば良い。
そう言ってくれた銀時の言葉が、なのはの胸に大きく作用してくれた。
「万事屋だけじゃないぞ。俺達真選組も居るぞ!」
「僕達も居るよ!」
「私達も居るからね!」
皆の声援が届く。声が響く。魂が震え上がる。心が燃え上がってくる。闘志が沸きあがってくる。力が漲ってくる。
もう迷う必要なんて
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