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駄目親父としっかり娘の珍道中
第33話 絆の数字は【4】
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なかったかの様になのはは立ち上がった。
 まるでゾンビの様に再び両足で大地に立つ。さらに、それだけじゃない。
 体を包んでいる光がなのはの傷と言う傷を塞いでいるのだ。
 傷だらけだった筈の体が、僅か数秒足らずで元通りへと変貌していく。バリアジャケットも同様だった。
 まるで何事もなかったかの様に、初戦の時同様の状態へと戻っているのだ。
 光が収まると、今度はなのはが目を開いた。その目にはより一層の闘志が燃え上がっている。ボロボロの怪物とは対照的に、ほぼ全快状態になったなのはが其処には居た。




     ***




「光を……吸収した!?」

 その光景を見ていたフェイトやクロノは文字通り驚かされていた。今のは回復魔法ではない。言ってしまえば自然治癒。その類だった。
 だが、それにしては回復速度が尋常じゃない。それに、あの時の光の粒子からは一切の魔力が感知されなかった。
 それから察するに、あの時なのはが集めていたのは魔力ではなく、周囲を照らしている光のエネルギーだったのだ。

「とんでもない子だ。あのなのはって子は、光さえあればほぼ無敵にも近い状態なんだ」
「それって、どう言う事?」
「強い光の中でなら、なのははどれだけ魔力を消費してもすぐに充填出来る。幾ら致命傷を受けても、瞬時に再生、復元が出来る。全く、いんちき並だよ。あの子は」

 クロノが愚痴る。それもそうだろう。明らかに既存の魔導師のスペックを遥かに超えているのだから。魔力を吸収するのではなく。周囲の光を吸収し、それを体内で魔力に変換する。それは即ち光さえあればほぼ無尽蔵に戦える事を意味している。
 更に、その光を用いて受けたダメージや致命傷を瞬時の内に治癒してしまう圧倒的な自然治癒能力。正しくいんちき以外の何者でもないスペックを持った魔導師になのははなってしまったのだ。
 だが、そんななのはでも欠点はある。

「でも、このまま戦ってたんじゃ意味がないよ」
「そうだ、幾ら凄い能力を持ってても、それを生かせなかったら意味がない。只の打撃じゃジュエルシードを封印できない」

 そう、あの怪物を倒し勝利する為には体内にある二十個のジュエルシードを封印する必要がある。だが、その肝心の封印魔法をなのはは使えないのだ。
 それどころか、今の所使ってるのは短時間の飛行魔法位と打撃補助の魔法しか使ってない。ほぼ無知の状態だったのだ。

「面倒臭ぇ話だなぁ」

 銀時が頭を掻きながらそう愚痴っていた。そして、地面に突き刺さっていたなのはのデバイスであろうそれを手に持つ。

「銀時?」
「知らないんだったら教えるしかねぇな。あいつに戦い方を。魔法って奴を」
「でも、そんな瞬時に覚えられる物なの?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。あ
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