第33話 絆の数字は【4】
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さえ、かなりの損傷を被っていた。
しかし、それ以上になのはが酷い状態だった。白いバリアジャケットは鮮血で赤く染まり、まともに立っているのすらやっととも言える状態だった。
初めて魔導師として覚醒し、その初陣がこれなのだ。まだ戦いなれていない以上仕方ないと言える。
なのはの膝が折れた。まさか、此処に来て。魔力が尽き始めたのか。
膝が地面に当たる。息をするのもかなり苦しそうだ。それでも、目は死んでない。
まだ立ち上がれる。まだ戦える!
自分自身に叱咤し、膝を持ち上げて立ち上がる。左右の拳を堅く握り締めて怪物を見据える。怪物もまた、まだその闘志の尽きていないなのはを睨む。
この小娘を黙らせるにはその命の炎を刈り取る他ない。その屈強な魂を根元から粉砕するしかない。
そう判断したのだ。
なのはの背後の壁が崩れる。瓦礫の崩壊する音と共に崩れ落ちる壁。その壁の奥から飛び出てきたのは巨大な二本の腕だった。
怪物のより一回り位小さいその二本の腕が小さななのはを捕える。
姿を現したのは大型の鎧だった。銀時達が倒した鎧とほぼ同格のそれと言える。だが、その大きさは桁外れになっている。
しかも、その力はかなりの物らしく、その上魔力も切れる寸前だった今のなのはにそれを振り解く力は残っていない。
必死に巨大な鎧の腕の中でもがくだけだった。
怪物がニヤリと笑みを浮かべる。今を逃してあの白い魔導師を葬る好機はない。そう判断したのだ。
怪物が大きく口を開く。口の奥が光り輝く。その奥から放たれたのは高出力の魔力砲だった。
戦艦の主砲を連想させる、その不気味な白光は大型の鎧諸ともなのはを包み込んでいく。
壁を貫通し、時の庭園を突き抜けていく。
不気味な光が止んだ後、其処にあったのは形をなくし瓦礫となった大型の鎧と、その付近で無造作に倒れるなのはの姿だった。
全身を激しく打ちつけ、微動だにしない。大地に背を預ける形で、なのはがその場に倒れ伏していたのだ。
怪物が雄叫びを挙げる。勝利の雄たけびだ。
勝った。遂に勝った!
そう確信したのだ。
後は残る雑魚を葬るだけだ。踵を返し玉座の方へと戻ろうとする怪物。だが、その時異変を感じ取った。
再度怪物がなのはを見る。光っていたのだ。
大地に倒れ、その命の炎を刈り取ったかと思えたなのはの体が光り輝いていたのだ。
それだけじゃない。光っているなのはを中心として、周囲の光の粒子が集まっているのが見える。
魔力を吸収しているのかと思ったが、違った。その粒子からは一切魔力を感じないのだ。
では何を集めているのか?
その粒子から連想出来る物。それは光。
そう、なのははその体一杯に光を集めていたのだ。
やがて、大量の光をその体一杯に浴びると、まるで何事も
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