第33話 絆の数字は【4】
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。多分、アイツを倒せるのはあの栗毛だけだ。その栗毛が今、命掛けで戦ってるんだ。だったら、お前は精一杯あいつの勝利を願ってやれ。アイツが笑顔で帰って来るのを祈ってやれ! それが、今お前に出来る最上の事だ」
「祈る……事」
その言葉をフェイトは何度も頭の中で呟いた。祈る。ただそれだけの事だった。
「おぉおぉ、何か凄い戦いになってんなぁ。凄ぇなぁこりゃ」
「え?」
また別の声がした。その声にフェイトは勿論その場に居た殆どの者も反応した。其処に居たのは先ほど致命傷で倒れていた筈の銀時だった。
だが、不思議とその銀時の体に外傷はない。
一体どうしたのだろうか。確かフェイトの目の前で心臓付近を貫かれた筈だ。その証拠にその付近の服が破れている。が、その奥に見える胸板には傷後が見られない。
「ぎ、銀時?」
「んだよ。そんな素っ頓狂な顔しやがって」
「だって、だって銀時……あああ、あの時確か……」
「っせぇなぁ。俺だって分かんねぇんだよ。何がなんだかさぁ」
どうやら銀時も分からないようだ。しかも、立っていたのは銀時だけじゃない。
回りを見れば新八や神楽。それにアルフやユーノまでもが特に外傷も無く立ち上がっている。しかも、ユーノの右腕がちゃんとあるのだ。
一体どうした事だろうか。
「ねぇクロノ。これって一体?」
「いや、なのはは回復魔法なんて高度な魔法は使えない。恐らく発動した際に散布された余剰魔力のせいだよ」
「余剰魔力?」
「なのはは今の今まで魔力を発散する方法がなかった。聞いた話だとそれを発散する為に放熱状態になる事が度々あったみたいだよ」
これを読んでいる人はお分かりだと思われるが、なのはは過去数度に渡りこの放熱状態に陥った事がある。本書では記載されていないが、初めて放熱状態になったのは3歳の頃だ。
医者がお手上げと言い手の施しようがなかった状態。あれこそが溜まった魔力を放出させる為に行っていた状態だったのだ。
そして、覚醒した際にそれを一定量放出したのだ。
その余剰魔力を浴びたが為にその間近に居たメンバー達は致命傷から回復したと推測される。
「そんな事が、そんな事ってあるの?」
「普通に考えたら有り得ない事だよ。そんな事したらまず僕達の魔力が尽きてしまう。僕の推測だけど、なのはは僕達のとは比べ物にならない程の魔力を有してるんだ」
その推測が当たっているかは分からない。だが、これだけは言える。なのはは桁外れの強さを持った魔導師として覚醒したと言う事に。
***
どれ程の打ち合いが続いたか。拳同士のぶつかり合いを最後に怪物となのはが互いに距離を置いた。
どちらもかなり息が乱れている。あの驚異的な強さを誇った怪物で
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