第33話 絆の数字は【4】
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時間、下手したら一日掛かりの壮絶な死闘の様にも感じられた。
微動だにしない怪物。今ので倒したのだろうか?
そう思った矢先、怪物の尻尾が突如唸りを上げた。尻尾の先端がなのはの右足を捕らえる。そして、そのまま上空高くへと持ち上げたのだ。
「わわっ!」
突然の攻撃に慌てるなのは。そして、砂煙の中から怪物が起き上がった。眉間の辺りに損傷が見られるがいたって軽症だ。寧ろ、傷つけられたせいで返って怒ってるようにも思える。
怪物となのはの視線が一瞬会った後、尻尾が撓るように動いた。猛烈なスピードで尻尾の先で捕らえたなのはを壁に叩きつけて行く。
壁にめり込み、砕け、破壊されていく。
しかも、一度だけじゃなく、何度も何度も別の壁や、天井、果ては床などに容赦なく叩き付けた。なのははまるで片足を持たれて振り回されてる蛙の様に成すがままだった。右足を軸にして尻尾の主導権を握られ、そのまま叩きつけられる。
「なのは! もう止めて、これ以上はなのはが、なのはがぁぁ!」
フェイトが叫ぶ。それと同時に尻尾が思い切り円を描き、そのまま捕らえていたなのはを遠くへと投げ飛ばす。
地面に激突し、小さな砂煙を巻き上げる。死んだのか? それとも生きているのか? 判別は分からない。
だが、この小娘が恐ろしい強敵だと言うのは怪物でも理解出来た。故に、手加減など出来ない。
怪物は床に両手を突き刺すと、そのまま地面を持ち上げた。巨大な岩盤を両手に抱え上げ、そのままなのはに向かいそれを投げつけた。
小さな砂煙の上に巨大な岩盤が圧し掛かる。重さ数十トンはあるだろう巨大な岩盤だ。常人ならまず生きてはいない。全身をぺしゃんこにされ醜い屍をその場に晒すだけだ。
岩盤が動いた。小さく動いた。だが、確かに動いたのだ。
一瞬見間違いかと思った矢先、その岩盤が持ち上がったのだ。岩盤の下にはそれを両手で持ち上げているなのはの姿がある。
彼女は健在だった。だが、無傷じゃない。
白いバリアジャケットはところどころ損傷しており、額から血を流している。それでも、彼女の目は死んでいない。寧ろ、先ほど以上に熱い闘志が宿っているようにも見えた。
「いっけええぇぇぇ!」
お返しとばかりにその岩盤を怪物目掛けて投げ返した。剛速球の如き速さで岩盤が怪物目掛けて突っ込んで来る。
しかし、それを怪物は腕を使わず、頭部だけでそれを破壊して見せた。頭突きである。
頭突きを食らった巨大な岩盤は中心から亀裂が生じ、瞬く間に粉々に砕け散った。
この程度で俺を倒せると思うなよ、小娘が!
そう言いたげな顔をしてニヤリと微笑む怪物。砕けた岩盤の破片が飛び散る中、其処に映ったのは、一直線に突っ込んで来たなのはだった。
岩盤を投げつけたとほぼ同時に自分も飛ん
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