第33話 絆の数字は【4】
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出た。目の前には先ほどの閃光の影響が未だに残る化け物が居た。
身長の差は歴然、だが力の差はどうだ?
化け物の強さはそれこそ常識はずれの強さだ。しかし、今のなのはの強さは未知数。正直言って今回がなのはの初陣なのだから。
突如、怪物が咆哮を挙げた。
更なる邪魔者が増えた為だろう。その雄叫びには苛立ちも感じられた。虫の息だった軍勢の中にまた一人元気な外敵が生まれた。それが更なる苛立ちを募らせたのだ。
怪物の鋭い眼光がなのはを捉える。同時になのはの目線も怪物を見据えていた。咆哮を挙げ終えるとほぼ同時に、怪物の巨大な腕が唸りを上げた。
同じ動作だ。こいつもまた先ほどの奴等と同じ様にこの一撃で粉々にすれば良い。そう考えつつ、怪物の巨大な拳が真っ直ぐ迫ってきた。
咄嗟に避けるように叫ぼうとしたフェイトだったが、その言葉は喉の途中で止まってしまった。
目の前で、なのはは避ける素振りを見せないどころか、両足を地面に深く押し込むようにどっしりと構える。そして、デバイスを持っていない空いていた方の手を引き絞るように背中まで回す。堅く握り締めたその拳に光が集まっていく。先ほどの桜色の閃光だった。その閃光が拳の周囲をコーティングする様に纏わりつくと、一際大きく、強い光となった。
そして、その光を纏った拳を、迫り来る巨大な怪物の拳に向かい叩き付けた。
堅い物質同士がぶつかり合った際の音が生じた。怪物の巨大な拳となのはの小さな拳が互いにぶつかり合ったのだ。
信じられない光景が其処にあった。怪物が押し負けたのだ。
今まで、どんなに戦っても後退させる事の出来なかった怪物を、なのはが始めて後退させたのだ。
「もう、いちどぉぉ!」
渾身の力を込め、再度拳を握り締める。先ほど以上に強い光が拳を包み込む。閃光で目がチカチカする。
怪物も負けじともう一方の腕を振るう。今度はそれに打ち合う事はなかった。放たれた拳を上昇する形で回避し、その腕に飛び乗り駆け上がる。
咄嗟に怪物が先ほどの手を広げて叩き落とそうとしたが、既に遅かった。なのはは一直線に怪物の顔面間近まで駆け上がると。その怪物の眉間目掛けて拳を叩き込んだ。
叩き込まれた拳の位置を中心に顔の肉全体がめり込む感覚を覚えた。そして、今度は其処を中心に後頭部へと突き抜ける程の衝撃。
それを一身に受けた怪物は抵抗する事など出来ず、そのまま仰向けに地面に倒されてしまった。
転倒した際の地響きが響き、砂煙が舞い上がる。
圧巻。正に圧巻とも呼べた。天を突く程の巨体な怪物を相手に、なのはは互角、いや、それ以上の戦いをしているのだ。
倒れた怪物より少し離れた位置になのはが降り立つ。戦いの時間は計算すればほど一瞬だったと思われる。だが、それを見ていたフェイトにとってはその一瞬が一
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