第32話 本当の強さとは諦めの悪い事
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遂に此処まで辿り付いた。江戸の町に現れた謎の化け物を巡る事件から始まったこの事件。
その事件も間も無く終わりを迎えようとしている。
21個もあるロストロギア【ジュエルシード】を巡って行われた壮絶なる戦い。それが今、終局へと向って行っているのだ。
「どうもぉ、万事屋でぇす!」
銀時の口からその言葉が発せられる。彼等からして見れば最早御馴染みの言葉でもあった。
だが、それは江戸で生きてきた者達だからこそ御馴染みと言える言葉だ。異なる世界の住人達にとってはその言葉は新鮮な言葉にも聞こえて来る。
反対に江戸の住人達が魔法の類を聞いて新鮮な気持ちになるのと同じような類だ。
「お父さん、来てくれたんだ!」
「おぅ、呼ばれて飛び出て出てきてやったぜ」
「でも私くしゃみもあくびもしてないよ」
「俺ぁハクション大魔王か? 緊迫の場面をぶち壊してんじゃねぇよクソガキ」
安心したせいなのか、なのはと銀時の間で冗談が交わされる。この光景もまた御馴染みな光景と言えた。
銀時となのはの関係と言えば側から見れば銀時がボケでなのはがツッコミと見られる事が多い。
が、実際に言えば時々逆転する事もある。
先ほどの光景の様になのはがボケに回り銀時がツッコミに回る事もある。
まぁ、親子であるが故の光景とも言えた。
「あれ? なのはちゃんずっと何所に居たの?」
「ガラスケースの中」
「いや、それだけじゃ分からないよ。何それ? ホルマリン漬けにされた標本みたいな奴?」
「え〜っと、どんな風だったっけ?」
返答に困ったなのはは、あろう事か目の前に居るプレシアにその答えを求めだした。普通そんな事を尋ねるだろうか。
そして、そんな場違いな質問に対して答える人間がこの世界に居るはずがない。
「いい加減にして頂戴。貴方達の戯言に付き合うつもりは毛頭ないのよ!」
当然の返答と言えた。
大事な局面でボケとツッコミなどやってる暇などない。それが普通の人間の発想と言うのだから。
「悪ぃな、これが普段の俺達なんでな。つっても、だからってお前等に合わせる気なんざサラサラねぇけどな」
「御託は良いわ。それで、一体何の用? まさか、皆で仲良くしましょう。とでも言いに来た訳じゃないでしょうね?」
「残念だが違うな。俺達はてめぇを叱りに来たんだよ」
「叱るですって?」
「禄に子育てもしねぇDV婆にな。覚悟しとけよゴラァ! 泣きっ面になるまでお尻ペンペンしてやっからよぉ!」
プレシアに向けて自分の尻を叩いて見せつつそう告げる銀時。やはり肝心の場面で何時もボケが入ってしまう。
仕方がないとは言えやはり世界が違うと空気の出し方も感じ方も違いが出てしまうようだ。
「銀時、締まってないよ。返って情け
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