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駄目親父としっかり娘の珍道中
第32話 本当の強さとは諦めの悪い事
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を殺し、機械になりきるのは難しいのだ。
 
「そうかい、だったら尚更もうなのはは必要ない筈だ。返せ」
「冗談じゃないわ。私だけアリシアを失っておきながら、貴方だけ愛娘と幸せな時を過ごす。こんな理不尽な事があって良いと思っているの? 全ては貴方達のせいよ。貴方達が此処に来たせいで、全てが狂ってしまったのよ!」

 再び、プレシアの声に殺気が篭り始める。いや、それ以上に何かドス黒い気迫を感じられた。
 それは憎しみだ。プレシアの深く、黒く、おぞましい色をした憎しみの気迫が感じられたのだ。
 
「銀ちゃん。あの鬼婆かなりやばいネ。この気持ち悪い気迫を放つ奴はとんでもない奴ってパピィが言ってたヨ」
「全くだぜ。綺麗な顔してる癖になんておっかない気迫をぶつけてきやがるんだ。流石の銀さんでもちょっぴりブルって来ちゃうんじゃねぇのぉ?」

 軽口を叩き合っているが、それらは全てプレシアの気迫に呑み込まれないようにする為の事だ。
 少しでも気を許せばプレシアのドス黒い気迫に呑み込まれてしまう。修羅場を潜り抜けてきた銀時が、そして戦闘種族の血を持っている神楽がそう感じているのだ。
 他の者達も当然その気迫を感じているのは言うまでもない。

「気迫に押し負けるなてめぇら! 奴の気迫に飲まれたら終わりだぞ!」
「そ、そうは言ってもさぁ―――」
「い、息をするだけでも辛いですよ」

 アルフも、そしてユーノも嫌な冷や汗が流れ落ちるのを感じていた。
 恐怖で背筋が凍るような錯覚を覚える。流した汗が氷水の様に冷たく感じる。
 歯が音を鳴らして震えだし、腕一本まともに動かせないようになっている。
 息をする事ですら渾身の力が必要となってしまうような、そんな感じだったのだ。

「許さない、お前達だけは……絶対に許さない!」
「おいおい、散々俺達に迷惑掛けておいて逆切れかよ。とことん小物に成り下がっちまうぞてめぇ」
「結構よ、もう小物でも外道でも何でも構わないわ。今の私にはもう何も残ってない。この命でさえ、もう間の無く尽きる筈だわ」

 え、尽きる?
 その一言にフェイトは驚愕した。意味が分からなかった。そんな事今まで一度たりとも言われた事がなかったのだ。
 母さんが、プレシア・テスタロッサが間も無く死ぬ。そう言っているのだ。
 一体何故?

「でも、もうそんな事どうでも良いわ。だって、今私がやりたい事はたった一つだけだもの」
「か、母さん……母さんの命がもうすぐ尽きるって、どう言う意味なの?」
「知る必要なんてないわ、フェイト。だって、貴方達は今すぐ此処で全員私と一緒に死んで貰うんだから!」

 その言葉に誰もが戦慄を覚えた。今この場に居る全ての人間を道連れにする。そう言っているのだ。
 言葉の意味を理解しようと必
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