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駄目親父としっかり娘の珍道中
第32話 本当の強さとは諦めの悪い事
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度は機械的な音声だった。

《時にマスター、魔法の経験はお有りですか?》
「アニメで見た程度だから無い訳じゃないけど、自信はないなぁ」
《つまり未経験者なのですね?》
「え? でもアニメとかで見た経験が―――」
《なのですね!》
「……はい」

 強気に出られてしまいシュンとなってしまうなのは。どうやら話を早く進めたいらしい。
 何事もスピードアップの時代なのだ。

《私もサポートを行います。まずは、貴方の戦う姿を思い浮かべてください。その通りに私が構築致します》
「うん!」

 頷き、なのはは考え出す。腕を組んで必死に悩んでる。知識があると言ってる分そう言う所にはこだわりがあるのだろう。
 だが、こちらとしてはかなり急ぎたいらしい。

《時間がないのでマスターの頭の中から適当に選ばせて貰います》
「えぇ! まだ選んでないのにぃ!」
《時間がないんです!》
「はい……」

 再び怒られてしまい更に凹んでしまう。このデバイスちょっぴり厳しいようだ。
 そして、閃光が更に強くなり、辺りの闇を振り払っていく。その強い光を体に纏っていく感覚をなのはは感じていた。




     ***




 まるで一時停止状態のようであった。
 フェイトの目の前に振り放たれた怪物の拳が、その目の前で微動だにしないのだ。
 後もう数メートル拳を伸ばせば、フェイトに直撃すると言った辺りで、その拳は止まっていたのだ。
 それも、かなり長い時間に感じられる。
 一体どうしたのだろうか?
 疑問に思うフェイトの目の前で、それは突如起こった。
 怪物が苦しみ始めたのだ。
 喉辺りを抑えて苦しみの声を挙げている。まるで熱い物を一気に流し込んだ後のようにも見える。
 そして、その直後であった。天を向いた怪物の口から眩い閃光が放たれたのだ。
 その閃光は天井をぶち抜き、遥か上空まで飛んで行く。
 桜色の光を放つ強い閃光だった。とても強く、大きく、そして熱い。
 その閃光は、やがて天井だけでなく、その周囲も包んでいく。思わず目が眩み、フェイトは目を瞑った。
 それは正しく一瞬の出来事であった。閃光が止み、目を開く。
 
「え?」

 フェイトは声をあげてしまった。何故なら、其処に居たのは本来居る筈のない人物なのだから。

「な、なのは?!」

 そう、其処に居たのは紛れも無くなのはだった。あの後姿を見忘れるはずがない。
 栗色の髪を両端で白いリボンで束ねたあの髪型。だが、その下の衣服は違っていた。
 白を基調としたその服は間違いなくバリアジャケットの類である。
 裾の長いスカートに長袖のジャケット。そして、その手にはバルディッシュとはまた違った形のデバイスが握られていた。
 そのデ
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