第31話 愛情も度が過ぎれば狂気
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見ててね、アリシアちゃん。アリシアちゃんの依頼、絶対に達成してみせるから」
その時のなのはの顔は、とても強く、そして凛々しく見えた。まるで、何も知らない初心な子供から一段上へと成長したかの様にも見える。
そんな時、周囲の闇が徐々に光へと変わって行くのが分かった。
闇が晴れて行くのだ。そして、それと同じように、自分の意識が光の中に溶け込んでいくのが理解出来た。
***
目の前に浮かぶ二つのカプセルを見て、プレシアは不気味な笑みを浮かべていた。
その中に居るのはアリシア、そしてなのはだ。
「アリシア、もうすぐ母さんと会えるわ。そして、やり直しましょう。失った時間を、二人で取り戻しましょう」
その顔は最早理性の大半を失っていると言っても良い状態であった。
ただただ、愛娘を生き返らせる事に人生の大半を使ったツケ。それが今なのだ。
だが、プレシアはそんな事全く気にしてはいない。彼女にとってアリシアを生き返らせる事こそが全てなのだから。
やがて、目の前のカプセルに変化が起こり出した。
互いの体が発光しだしたのだ。どうやら、お互いの精神がリンクし合った兆候のようだ。
プレシアの顔が更ににやついていく。計画は順調だ。
後はこのままなのはの体が光の粒子へと変わって行き、全てがアリシアへと流れ込み、最終的になのはの全てがアリシアの物となりアリシアは再び目を覚ます。
これがだめでもその時は手に入れたジュエルシードを用いて別の手段を講じるだけだ。
手段は多い方が良い。その為のこの第一段階なのだ。
互いの発光は益々強くなっていった。後は、無事にこの光景が終わるのを待つだけであった。
しかし、そんなプレシアの前で異変が起こった。
本来計画していたのとは違い、アリシアの体が逆に光に包まれだしたのだ。
そして、その光が徐々になのはに向かい流れ出していく光景が映っていたのだ。
「な、何故? 何でこんな事が起こってるの? 有り得ない、こんな筈はないわ!」
慌てて装置を止めようと操作しだす。だが、装置は全く命令を聞かない。その間も、光はなのはへと流れていく。アリシアの体が徐々に薄くなって行きだした。
「止めて! アリシアを奪わないで! 私の、私のアリシアを連れて行かないでぇ!」
最早成す術がない。カプセルにすがりつきながらプレシアが叫んだ。
だが、その声も空しく、遂にはアリシアの体は全て光の粒子となり、その全てがなのはの中へと流れ込んでしまった。完全に同化してしまったのだ。
これは予想していた。違うとすれば、同化する相手が違った事位だ。
ガクリと膝を落とし、プレシアは項垂れた。しかし、それも一瞬の内だった。
再度立ち上がっ
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