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私立アインクラッド学園
第一部 剣技
第3話 禁止
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……なんの話をしてるの? ここの学園は全寮制で、大型連休以外は許可がないと校外に出るの禁止だよね?」

 するとアスナが微笑んで答える。

「そっか……直葉ちゃん、まだ中学生だもんね。えっとね……」

 ──依頼についての説明後。

「えっ、ズルい! あたしも行きたい」
「スグは?剣?の成績が中等部トップだから、来年高等部に進学したら受けられるようになるさ」
「その時は、お兄ちゃんも一緒だからね」
「はいはい」

 適当に返事をすると、スグはニッコリと笑い、屋上の扉を開ける。スグはこちらを見て言った。

「あたし、友達のシリカちゃん待たせてるから、もう行くね」
「シリカちゃん……て、中等部のアイドルって有名の、綾野珪子ちゃん?」

 アスナが尋ねる。──ちなみに俺はシリカと関わったことがあるが、それはまた別の話で。

「そうそう。すっごい可愛いんですよー。目とかパッチリしてて! なんでシリカって呼ばれてるかっていうのは……ま、それはまたいつかお話しします。今はとりあえず行かなくちゃいけないので」

 スグが苦笑いをし、「また今度紹介しますねー」と言葉を残して校舎内に戻っていった。それから数秒間の間を空けてから、アスナが口を開いた。

「キリト君、直葉ちゃんに依頼のこと教えてなかったの? 別に隠すことでもないのに」
「だって、訊かれなかったし……」
「もう……」

 アスナはぷくぅっと頬を膨らませた。
 ──可愛い
 ただでさえ可憐な顔で、こんな表情……。
 依頼を受けているからこそ、二人きりでいられるこの時間。

「キリトくーん? もしもーし」

 アスナが目の前でヒラヒラと手を振った。

「君、この頃よくボーッとするね」
「そ、そう?」
「うん。なにか考えてるの?」
「ものすごく考えてます」
「そ」

 彼女は溜め息を吐くと、少し悲しそうな目をして、俺の顔を覗き込んだ。

「キリト君」
「な、なんでしょう」
「わたしと一緒にいる時は、他のこと考えるの禁止だからね!」

 アスナは俺にデコピンを喰らわせると、屋上を出ていった。

 ──わたしと一緒にいる時は、他のこと考えるの禁止だからね!

 な、なんだそれ。
 俺は、基本的には何も考えてないことが多い。傍にアスナがいる時、考えることっていったら……や、やめよやめよ。なにも考えないのが一番だよ、うん。
 脳内をからっぽにすることに専念していたその時、?ピロリーン♪?というメール着信音が鳴った。

「誰からだ……?」

 右手の人差し指と中指を揃えて、真っ直ぐに振り下ろす。鈴の音のようなサウンド・エフェクトと共に、目の前にメニュー画面があらわれた。
 最近は、携帯電話とか、スマートフォンを使
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