―デス・デュエル―
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ネオスペーシアンと宝玉獣という伝説のデュエルとともに始業式が終わりを告げると、全ての生徒にデュエルエナジー観測装置《デスベルト》が配られ、機械的なデザインのそれを腕に装着することを強要された。
プロフェッサー・コブラがウェスト校で実績を残した授業方法らしく、このデスベルトから発せられたエナジーによってデュエルへの熱意や実力を判断し、その結果で寮の昇格や降格が決定されるらしい。熱意や実力が他の者に劣っているとは思わないが、座学を疎かにされたようで、あまり良い気はしていない。
こうして、四人の留学生とプロフェッサー・コブラ、そしてディスクロージャー・デュエル――略して《デスデュエル》――を含みながら、俺たちの最後の年が始まったのだった。
……俺はその前に、クロノス教諭とナポレオン教頭の二人がかりの説教を喰らうことになるのだが、それは割愛させてもらう。……アモンは特にお咎め無しのようで、なんとも理不尽な話だが。
「デスデュエルにデスベルト、ねぇ……」
それからしばらくたった後、俺は腕に装着された《デスベルト》を見ながらポツリと呟き、もう一度デスベルトを外そうと試みた。やはりどんな力を入れようともデスベルトは取れず、機械には詳しい自分でもデスベルトはどんなものかは解らなかったが。
デュエルをするとここからデュエルエナジーというものが吸われ、専門の機械でエナジーの計測を行う、ということだ、……ウェスト校で成果を出しているのは確からしいが、何とも怪しいものだ。
まあ、デスデュエルのことはこれ以上考えても仕方がないだろう。
今俺がやらなければいけないことは、先日の始業式をジムとデュエルしたせいで遅刻し、晴れ舞台を見ることが出来なかった妹分への謝罪。要するに、レイのところにちょっと謝りに行くついでに、高等部へと馴染めているか見に行くということだ。
我ながら過保護だとは思うけれど、デスデュエルについてこれ以上考えても無駄なことと、同じぐらい仕方がないことなのである。こればかりは兄貴分たる自分としては。
そういうことで、レイが今ラー・イエロー寮にいると聞いた俺は、久しぶりにラー・イエロー寮へと赴いた。そこで見たものは……何故かラー・イエローの生徒を追いかけ回す、元気な妹分の姿だった。
「待ってよマルっち! ……あ、遊矢様!」
俺がラー・イエロー寮内に入るなり、レイは即座に俺の姿を見つけると、急激に彼女はそのスピードを増す。そして、容易く追いかけ回していた生徒をつかまえると、こちらに笑顔で寄ってきた。
「……様は止めろ、レイ。見ない顔だけど、そっちの生徒は?」
いつも通りの会話を繰り広げた後、レイが捕まえたラー・イエローの生徒の顔を見た。見ない顔で身長も低く、どうや
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