第六話 一時の空白
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な。いったん休むか」
そう言って席を立ち、仮眠室まで行くことにする。コーヒー一杯飲んだところで眠気が覚めることもない性質なのでゆっくりと休めるだろう。
そう思いながら出ていき、起動したままのPCはこれまでのデータを基に、複数の機体のデータを修正している画面が立ち上がっている。様々な形容の機体。肩が大きくなっているものやゲルググとは似つかない形の機体も映っている。そんな中で一番上に映っている機体トップの部分にはシュトゥッツァーと、そう書かれていた。
◇
プラントと連合の開戦はロゴスによって予定調和のなりを見せた。ユニウスセブンを落としたのはコーディネーターだったと。彼らは愚かにもこの地球の人間を滅ぼそうとしたのだと。だから今こそ地球に住む住人はプラントを討つべきだと。大義名分を手にコーディネーターを滅ぼすのではなく、プラントを打倒する。そう言う流れを作る事で地球圏の住民を一致団結させるのだ。
コーディネーターを滅ぼすと言えばオーブのようにナチュラルとコーディネーターが共存する国を取り込むのが難しくなる。ならまず最初にプラントを滅ぼせばいい。そして、その後に残った僅かなコーディネーターを滅ぼすのだ。ロゴスの頭首ともいえるロード・ジブリールはそう考えていた。
総ては自分の思惑通りに進んでいる。そう思い、愉悦ながらにワインで口を潤す。ユニウスセブンが落下した時、ジブリールは怒りを抑えきれなかった。世界の頂点に立つべき自分がなぜこのようなシェルターという穴倉に一時でも隠れ、怯えなければならないのか。
落下させようとしたコーディネーターのテロリスト共には今でも怒りが沸き起こるが、そのおかげで大義名分を得ることが出来た。
「さて、皆さん。これで我々は戦争への大義名分を得、敵を討つことが出来るのです。憎き空の化け物どもをね」
ロゴスのメンバーを集め、ユニウスセブン落下の原因たる証拠を見せた後、彼は高らかにそう宣言する。
『しかし、ジブリールよ。些か早計ではないかね?今、地上はユニウスセブン落下の影響で混乱しておる。だが、あのデュランダルの若造はこちらを支援するなどと抜かし、動いておるぞ。そんな状況で戦争を仕掛ければあの化け物どもは余計な事をしでかすんじゃないのか?』
「世界はね、システムなんです。だからつくり上げるものとそれを管理するものが必要だ。人が管理しなければ庭とて荒れる。誰だって自分の庭には好きな木を植え、芝を張り、きれいな花を咲かせたがるものでしょ……雑草は抜いて。ところかまわず好き放題に草を生えさせて、それを美しいといいますか?これぞ自由だと……。人は誰だってそういうものが好きなんですよ。きちんと管理された場所…物…安全をね…」
『むう……』
「今、空の化け物どもを討たねば、そ
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