幕間
Trick@02_賭けろよ、あんたの誇りを
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「さてと、必要なのはこれだけかな」
信乃は夜の街を歩いていた。理由は冷蔵庫の牛乳がなくなったからである。
ついでに他の必要なものも買い、今はコンビニからの帰路についていた。
その日は夏休みになったばかりだが、夜の街を歩く学生は少なかった。
「ま、夏休みと言えど学園都市では風紀は厳しいからな。夜遊びはあまりしないか。
あれ?」
意味もない独り言をつぶやいていた信乃は、あるものを感じた。
魔力
魔力を使うのは魔術師だけ。しかし、魔術師は科学を、学園都市を嫌っている。
だが、魔力を感じるのは学園都市のど真ん中。
不審に思った信乃はその方向へと足を向けた。
「うるっせえんだよ、ド素人が!!」
魔力が発生している場所、正確には魔術を使って人払いをしている中心。
そこに到着した信乃が聞いたのは、女性がむき出しの感情を叫んだ言葉だった。
どこにでもあるような交差点の車道。人払いされているせいで車は全く通らない。
そのど真ん中に2人の人物が立ち尽くしている。
1人は学生服を着た少年。頭はウニのようにツンツンにとがった髪型をしている。
歳は高校生ぐらい。その体には打撲痕と切り傷が無数にあった。
1人は奇妙な服を来た女性。半袖の白いTシャツを脇腹の方で縛りヘソを丸出しにしている。
ジーンズの左脚の方を太股の根元からバッサリと切られている。
手には2メートルはある刀を持っているが、抜かずに鞘に入ったままである。
こちらの女性は完全に無傷、疲労さえ感じない。
先程の叫び声は彼女だ。
2人が立っている車道は、何かに切り裂かれたような跡があり、一部のアスファルトが
剥がされて破片が辺りに散らばっている。
少年が女性に一方的に攻撃されて怪我を負っているという状況を確認した信乃だが、
一番に驚いているのは、こんな所で知り合いに会うとは思わなかった事だ。
「知ったような口を利くな!! 私達が今までどんな気持ちであの子の記憶を
奪っていったかと思ってるんですか!? わかるんですか、あなたなんかに一体何が!
あなたはステイルが殺人狂だと言ってましたけどね、アレが一体どんな気持ちで
あの子とあなたを見ていたと思ってるんですか!? 一体どれほど苦しんで!
どれほどの決意の下に敵を名乗っているのか! 大切な仲間のために
泥をかぶり続けるステイルの気持ちが、あなたなんかに解るんですか!!」
女性は先程と同じように少年に向かって感情をぶつけた。
ただ違ったのは、言い終わると同時に少年に向かって蹴りかかった。
少年との間の数メートルの距離を一歩で跳躍し、左足が少年の顔を捉える
その直前に信乃は少年の前に立ち、蹴りを止
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