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箱の中
こうさつ。

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さしあたって僕は過去にあった事件を調べてみることにした。いまどきパソコンがあればだいたいのことは知れる。めぼしい事件は、はたしてあった。きっと正解である事件があった。こうだ。
九年前、製薬会社に勤める会社員が自宅で殺されていた事件だ。簡単に言えばそれだけだが、殺されかたが妙だったのだ。
その会社員はまず心臓を一突きにされ、死んだあとに腕を壁に釘で打ち付けられ、足を切り落とされ、そして頭が持ち去られていた。まるで十字架みたいになっていたようだ。頭は結局見つからず犯人もまだ見つかっていない。部屋は荒らされていなかったようで、猟奇殺人の線であったようだ。あの幽霊の外見からして僕はこの事件が正解であると断定していた。
だが事件が結構前で情報が少ないのとネット掲示板からかき集めた情報なので信憑性に欠けるという不安定で不確定なものだった。
だけど、ここまで具体的に姿と一致しているのは偶然ではないはずだ。この線で調べよう。
…てかここまで壮絶な事件とは。ヤバそうな臭いがぷんぷんする…。まだ犯人見つかってないっぽいし…。あのハイテンション幽霊なにしたんだよ。殺されたのには理由がきっとあるはずだ。
ちなみにあの幽霊と出会ってから四日が経過している。図書館に行ったり家でパソコンいじったりして調べただけで四日夏休みを使ってしまった。途中何度もなんでこんなことしてるんだという気分に襲われたがなんとかやってこれた。最初は有名な事件や事故を調べていたが全くこれだというものに巡り会えず、地元に絞って調査してみてやっと見つけた手がかりだった。自分の住んでいる町でこんな事件があったのならゾッとする話だ。でも話も聞いたことないのはなぜだろう。あまりにグロテスクすぎて情報に規制がかかったのだろうか。
そういえばあれから回覧板が回ってきた。子供会の活動や町の祭りの情報や廃品回収をやるようなことが書いてあるなか、一つ目を引くことが書いてあった。最近夜不審者が複数の人から目撃されています!みなさん夜は出来るだけ出歩かず、防犯グッズなどを持ち歩きましょう!
…多分あれだな。まだ人に話かけ回っているのだろうか。てかよくよく考えたら僕ひょっとしてもう一度あれに会わなきゃならないのか?ちょっとやだなー…。でもどうせ調べたんならあれに話といた方がいいんだろうな。消えるかもしれないし。
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