ナイアーラトテップとの戦い T
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要じゃねぇ!求められるのは、何時だって結果だ!!!」
何度失敗しようとも、最後に立っていた者が勝者だと。途中で何十点奪われようと、最後の最後に逆転負けする可能性はゼロではないのだと。そう、彼は叫んだのだ。
「・・・っ!―――そうですか。なら、貴方が諦めるまで、何度でも叩きのめして差し上げます!!!」
ここにきて、彼女が少しだけ本気になった。
彼女は理解したのだ。生半可な攻撃を続けても、彼は諦めないと。彼女の望む結果を手にするには、彼の体ではなく、心を折らなければならないのだと。
そう悟った彼女は、左手を手のひらを上に向けて突き出した。
「見せてあげます。これが、神々の力。人間が抗うことも出来ない、まつろわぬ神という、災厄の力です!!!」
彼女から吹き出た呪力が渦となり、彼女の腕に巻き付いた。禍々しい気配を放つその呪力は、次第に手の平へと移動する。護堂は、吹き荒れる呪力の嵐に飛ばされないように、強く踏ん張る必要があった。
両手で顔を庇いながら彼女を見た護堂は、彼女の手に小さな物体が出現したのを確認する。
それは、歪な形をした、奇妙な箱。既に開かれているその漆黒の箱には、これまた漆黒の多面体が収められている。その漆黒の球体には、所々に真紅の線が錯綜しており、七本の支柱によって支えられているのが見て取れた。
「―――っ!」
ブワっと体中に汗が吹き出るのを、護堂は感じ取った。これまでの戦いでも、何度も死を覚悟したし、この異常な気温である。エリカの魔術により保護されているといっても、流石に暑さを感じなくするというのは不可能だ。その暑さにより、今までも護堂は滝のような汗をながし続けていたのだが・・・この物体を見たその瞬間、今までの比ではないほどの恐怖が、彼を襲ったのだ。
(ヤバイ・・・!アレは、ヤバイ・・・・・・!!!)
咄嗟に、前に進もうとした。彼の体の制御を、本能的な恐怖が奪い去ったのだ。
(アレを、奪わないと・・・!!!)
しかし、彼の行動は、何の意味もなかった。
何故なら、彼女が後しなければいけないことというのは・・・ただ、箱を閉じるだけだったからだ。
「あ・・・っ!」
その一工程を防ぐことなど、護堂に出来る筈がない。彼が伸ばした手は、一歩も近づくことなく、彼の体から離れた。
「・・・・・・え?」
ブシューッ・・・!という、噴水のような音が周囲に響く。護堂が現状を認識出来たのは、それから数秒後。彼の両腕を、激痛が襲った後だった。
「う・・・アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?」
余りの痛みに、喉が裂けるほどに絶叫する護堂。それは、彼の腕が、それまでの重症などまるで
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