ナイアーラトテップとの戦い T
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気迫に、神である筈の彼女が押された。彼女は、ただの人間であるはずの草薙護堂に、一瞬だけでも恐怖を抱いたのだ。その恐怖を振り払うかのように、彼女は行動を起こした。
「・・・なら、強制的に退場してもらいます。」
幾分声が低くなった彼女が手を伸ばしたのは、もう既に、高熱によって原型を留めていない建物のコンクリートの破片。彼女の頭程もある大きさのそれを、彼女は無造作に投げた。
・・・だが、今はこのようなか弱い姿だが、仮にもクトゥルフ最強の一角である邪神である。そんな彼女が投げたソレは、瞬間的に音速を何倍にも超えて・・・
ゴバッ・・・・・・!!!
「う、ああああああああああああああ!?」
護堂のほんの少し手前に着弾したその破片は、その圧倒的な破壊力により、地面に大きなクレーターを作成した。コールタール状になっていたコンクリートだが、それでも地面の中には、金属部品や、この熱でも溶けていなかった小さな石ころなどが大量に埋蔵している。
それが、護堂を一斉に襲ったのだ。
「ご・・・グ、ゥ・・・・・・・・・!」
刺さる。破片が突き刺さる。
腕に足に腹に目に。至近距離で、手榴弾の爆発以上の威力の攻撃を受けた護堂の体は、成す術もなく吹き飛ばされた。体が千切れ飛んでいないのは、単にナイアーラトテップが絶妙な手加減をしたというだけの話である。
「ガ・・・ぁ・・・・・・!!!」
「痛いでしょう?辛いでしょう?・・・いくらその権能が有るとは言え、ソレは肉体的損傷にのみ効果のある権能です。精神面でのサポートはしてくれませんよ?・・・痛みでショック死した場合なども同様です。・・・早めに降参することを、お勧めします。」
意識して、感情の篭らない喋り方をする彼女。少しでも情を向ければ、自分から彼に駆け寄って介抱したくなってしまう。それを我慢しているのだった。
「・・・ハッ・・・!この程度で止まるかよ。この程度、覚悟してきたさ・・・!」
だが、そんな彼女の葛藤を知ってか知らずか、護堂は立ち上がった。足はふらついているし、服はボロボロで大量の血液が付着しており、無事な部分など全く存在しない。・・・しかし、彼の体自体には、ほんの少しの傷も存在していなかった。
「まだ挑める。一回で攻略出来なかったから何だ?俺は、長年キャッチャーをやってきた。天才とも呼べる凄腕のバッターとも、何度も戦ってきた・・・!俺の作戦ミスで一度打たれたからって、そこで諦めてちゃキャッチャーなんて務まらねぇんだよ!」
そこで、彼はもう一度ナイアーラトテップを見つめた。彼の瞳に宿る不思議な光。彼女は、それに見惚れてしまった。
「命がまだある!体の回復手段も持ってる!諦める必要がどこにある!?経過なんて重
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