追憶
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愕するだがすぐに後ろへとび距離をとる。
――――どうなってる!?確かに私は全力で殴ったそれに気ものせて……。
そこまで思ったところで千李は自身の体の異常に気付いた。
「気が……出てこない……?」
「気付いたようじゃのう。いま千李ちゃんの気は完全に封じておる。じゃから今の君の力はただの6歳児と一切変わらないまったく弱い拳なんじゃよ。無理に封印をとこうとしても無駄じゃからな。そんなことをすれば千李ちゃんの体は内側から壊れるぞい」
「ふざけんな!さっさと私の体を元に戻しやがれ!!」
激昂する千李だがその顔には若干の焦りが見られた。それもそうだ、いままでずっと気を使って戦ってきた。それがいきなり使えないと宣告されれば焦るのも無理はない。
しかし三大から帰って来たのは思いもよらない答えだった。
「残念ながらその封印を解くにはある一つの条件をクリアしなければならん」
「条件?」
「うむ。それは千李ちゃん。アンタのその力を果たしてどう使うかにかかっておる。それができない限りアンタは二度と気が使えない。ちなみにどんな条件かは一切教えない。自分で辿り着いてみせい」
三大の答えに千李は俯く。
だが三大はそんな千李の肩に手を置き告げた。
「まぁようはきっかけじゃよきっかけ。……それにしばらく武道のことを忘れてみるのもいい機会かもしれんしな。幸いここには千李ちゃんぐらいの年頃の子が多い、その子たちと遊んでいれば何か気付くかもしれん。なぁに時間はたっぷりとあるゆっくりと見つけていけばよい」
三大はいうと千李の手を引っつかむとずるずると引きずっていった。
「な、なにを!?」
「今言ったじゃろう?ここには子供達がおると。あの子たちに千李ちゃんのことを紹介するんじゃよ」
言い切る三大の顔はとても楽しそうに笑っていた。それに対し千李はとても憂鬱そうだったが。
そして千李の極楽院での暮らしが幕を開けた。
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