追憶
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を帯び始め千李の体にその光が収束し始める。光が完全に消えるとともに床に刻まれていた法陣も消えていた。
「これハ……!」
思わずルーが驚愕の声を上げるがそれとは裏腹に鉄心は冷静に三大に聞いた。
「三大これがおぬしの言っていた封印か?」
「ああ。これが気を完全に封じ込める封印式、閉塞気法印でな。体の一部に封印式を埋め込み、気を出すことをできなくすることができてのう。そして仕上げは――――」
三大は懐から黒い髪紐を取り出した良く見るとそれにも封印式のようなものが刻み込まれている。三大は千李の上体を起こすと千李の髪を縛り始めた。
縛り終えると三大はそっと千李を抱き上げる。
未だに千李は目を覚ます様子はなくただただ眠っている。
「これで完全に終了じゃよ」
「最後の髪紐はなんじゃ?」
「この髪紐は千李ちゃんが封印式を破ろうとした時にそれを止める役割をになっておるのじゃよ。……まぁ正確に言えば無理やりに解こうとすると、封印式から出る衝撃が千李ちゃんに襲うと言うことなんじゃがのう」
三大は抱いていた千李の顔を見ると静かに問うた。
「本当にいいのかい鉄心ちゃん?」
「構わん。こうすることが千李のためならば仕方あるまい。では我らは行こうかルー」
「はイ。総代」
二人は歩き出しもんの方へ向かうが鉄心が最後振り返り三大に告げた。
「三大!千李を……頼んだ」
鉄心の声に三大はただ黙って頷くと、それを確認したように鉄心も極楽院を後にした。
「んぅ……。くそあのじじいただじゃおかねー」
夜になり千李は目を覚ました。そしてあたりを見回すも、千李にはここが何処なのかわからなかった。
「どこだここ……」
「気が付いたみたいだねぇ千李ちゃん」
「アンタは?」
現れた三大に千李は物怖じせずに聞く。三大も臆することなく千李に自己紹介をする。
「失礼したねワシの名前は極楽院三大。ここ湘南の極楽院三醍寺住職じゃよ。そしてアンタはこれからしばらくここに住むことになるんじゃよ。川神千李ちゃん」
「何いってんだか私がここに住む?冗談じゃない私は帰る」
あきれ声で言う千李に三大は言葉をつむぐ。
「まぁどうしても帰りたいというのならワシを倒していきなさいや。そうすればかえしてあげよう」
三大は千李を手招きで誘う。それに千李はにやりと笑うと身構えた。
「おもしれー。じゃあやってやるよ……大怪我してもしらねーぞ!!」
突っ込んでくる千李だが三大は微笑を浮かべているだけだ。千李はそれを不信に思いながらも勢いを止めずに三大に突っ込み拳を放つものの、千李の拳はいとも簡単に止められてしまった。
千李はそれに驚
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ