第39話 What can I do for you?(1)
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それも考えてたにゃ。あのバカ、ジュンゴにゃんを傷つけただけでなく独り占めにするなんてって。
けど、声を聞いてすぐにダメだって分かったにゃ。今のリリーは本当に母猫より不安定、ジュンゴにゃんっていう子どもと引き離されたら、何しでかすか分かったものじゃないにゃ」
母猫は外敵から守るために子猫を殺すっていうけど、リリーの場合は――
そこまで言って悪い予感をふるい落とす様に、シャムスは身を震わせる。聞いたノエルも、その場にいた他の人も一様に表情を曇らせた。
「えっとつまり、純吾君が自然に回復して、リリーさんを説得するまでは、話を聞くどころか会う事もできない。シャムスさん、こう言う事でいいんですか?」
すずかが身を乗り出して問いかけ、シャムスは頷いて答えた。すずかの表情が失望と、諦めに似た感情に一層深く沈んだ。
「そう、ですか…」
とすん、と糸の切れた人形のようにすずかは椅子に座りなおす。机の下の両手は、強く握りしめられていた。
そんな妹を見て、純吾君も随分と罪な男の子ね、と場違いな感想が思い浮かぶ。こんなに心配してくれる子を、どうして毎回不安にさせるような事をして帰ってくるのだろうか、とも。
そこで思考の泥沼から這い出し、忍は長い髪を振るう。そして、目の前の問題を解決するために動き出した。
「まぁ、はじめから分かってた事ではあるし、あの二人には本当に休んでいて欲しいと思っていたからこれで良いわ。
……じゃあ、集まれる人は揃ったし、夜も遅くなるから手早く終わらせましょう。なのはちゃん、ユーノ君。今日、何があったのか、どうして、純吾君が気絶してリリーさんの様子がおかしいのか、教えてもらえないかしら?」
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