暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第四十二章 秘めし決意《2》
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 西貿易区域の北側。
 そこで止まっていた戦闘が、息を吹き替えしたように再び始まった。
 学勢二人対社交院。
 普通ならば後者の方が有利だが、それは普通ならばの話しだ。
 押しているのは学勢の方で、押されているのが社交院。
 嵐の如く攻める学勢を相手に、二人の社交員が皆の壁となっていた。
 葉木原と倉澤だ。
 二人は両手を前にし、防御系術を発動している。
「「絶対防盾――!!」」
 発動している防御系術の名だ。
 円形の盾が、次々と来る相手の攻撃を防ぐ。
 その全ての攻撃を防ぐ盾には傷一つ付かず、攻撃を行っている学勢はある感覚を覚えている。
「面倒くせえもん発動しやがってよお。万象宗譜|《トータルスコア》の絶対防盾、てのは厄介だぜええ」
「攻撃を防ぐっつうよりも、攻撃の威力を食われるような感じっすね」
「打撃が駄目なら斬撃だな」
「馬鹿っすか先輩は。肝心の武器持ってきてないっすよ」
「かああ、これだからテメエは駄目なんだよ。手刀っていう立派な刀が俺達の拳にあるだろお?」
「何格好良く言ってるンすか」
「はあ――!」
 無視し、九鬼は目の前の盾に向かって腕を上げ、手刀を叩き込む。
 これを見て相手をしている葉木原は、
「これでは駄目だ、避けるぞ!」
「了解です」
 倉澤は返事を返し、数歩後ろへ後退する。
 味方には動くなと指示を出し、足が地に着く頃には盾は真っ二つに割れていた。
 地面が跳ね上がり、手刀を受け止めた地面には魔人族の手が深く刺さっていた。
 九鬼は刺さった手を地面から抜き、一つの結論を得た。
「なああるほどな。理解出来たぜ」
「何がっすか?」
「発動していたあの盾は一点集中型の盾だ。確か俺が信仰してる神格宗譜|《キリストスコア》にそんな感じの攻撃系術があったしなあ」
「どういうことっすか、それ」
「分かんねえのかよ。どうしようもねえなあ、おい」
 しょうが無いので説明する。
 相手が特に動かないのを見て、
「簡単なことだ。俺達の強烈な打撃を防ぐためにあの盾は打撃に対する耐性を持たせた、ただそれだけだ。絶対防盾なんてよく言ったもんだぜ。それ以外の攻撃に対しての攻撃には耐性を持たず、すこぶる弱くなるんだからよお」
「だから斬撃の手刀が通ったわけっすね」
「単純過ぎてさっきの戦いじゃ分からなかったけどな。まあ、そんなこたあいい。対処が分かっちまえば後はただの作業だ。ああ、あああ、つまんねえなあああ」
 深くため息を吐く。
 巨体が肩を落とし、先程の笑みが怠けたような表情へと変わる。
「最近の若者は礼儀というものがなっておらん。相手が子供|《ガキ》ではなく大人だったことを後悔するがいい」
「さっきから盾ばっか使ってる奴が何言ってんだあ? 俺が敬意を払うのは俺が認めた奴だけだ、
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ