第二幕その五
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ビテロルフが加わりヴォルフラムとハインリヒも剣呑な顔になってしまったところでヘルマンが彼等を制止した。
「歌手達よ、ここは何処なのだ」
「殿堂です」
「それ以外の何でもありません」
彼等は頭を垂れヘルマンにこう述べた。
「ではわかるな。ここは竪琴で争う場」
「はっ」
「剣を抜く必要はない」
こうも告げる。
「わかったな」
「申し訳ありません」
「それでは」
「ではヴォルフラムよ」
「はい」
「また歌ってくれ」
こう言って歌を薦めるのであった。歌を薦めると彼はまた歌うのであった。
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