part22 首相 そして ”蛇”
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「お前たち、不思議。一人は不可解な力持っている、でも強い。
一人は我でもかなわない力、持っている、そして強い。」
……何だこの、”ゴスロリ服変態バージョンを着た不思議ちゃん”みたいな奴は……
つーかいたのか……自分のこと”我”とか言う奴……金髪オッドアイだけじゃなかったんだな。
この黒髪変態娘は俺達の前にいきなり現れ、頼んでもないのに語りだしたのだ。
名前は……なんだったけな……
「お前たち、とても強い。だから」
「だから……何じゃ?」
「お前たち、我に協力する」
「「断る」」
「何故?」
「何故じゃねえよ、いきなり現れて”協力しろ”と言われてわかりましたって承諾できるかっての」
「うむ、正論じゃな、そもそも目的もわからんのに」
次の瞬間、こいつの口から信じられない言葉が発せられた。
「……我の目的、次元の狭間に帰ること」
……次元の狭間……!? ……しかもこいつは帰ることが目的といった、つまり……
「でもそこ、今グレートレッドいる。グレートレッド、我より強い。だから力いる。倒して次元の狭間に帰る。そして静寂を得る」
こいつが……『禍の団』のボスかよ……いや、まだ決めるには早い、念の為に聞いておくか
「なあ、お前『禍の団』って組織を知っているか?」
「知っている。我が協力している者たちの名前」
……協力している? こいつはボスじゃないのか? ……続けてシャグリーンが質問を投げかけた。
「あやつらはテロ行為を起こしておる集団じゃ。そやつらに協力するんじゃから、それ相応の理由があるんじゃろうな?」
黒髪変態娘は頷き、こう言った
「協力している者たち、我を次元の狭間に返してくれる、そう約束してくれた」
……は?
「お前が……お前が力で脅して、あいつらを率いてるんじゃないのか!?」
「違う、我、協力を求めた、そしてあの者たち約束してくれた」
「そ、そんなもの口約束に決まっとろうが!」
「? 約束してくれた、だから協力している」
こいつ……人を疑うってことを知らねえのかよ……! ……疑う必要がないほど強いのか、それとも単に頭が残念なだけか……だが、どちらにしろこいつは……
「『禍の団』にいいように利用されているだけなのか……」
「理由話した、お前たち我に協力する」
お前……哀れだよ……本当に、哀れだよ……くそっ……。
「翔太よ……どうするんじゃ……」
シャグリーンも悩んでいるらしく、悲しそうな表情と、悩んでいる表情が合わさった顔をしていた。
確かにこいつを可哀想だとは思う。だが、こいつに協力することは、『禍の団』に協力することと同義、シャグリーンは同情と否定の狭間で揺れているのだ
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