log5 発見
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ジロジロ見られていたのは、何も服のせいだけではない。見た目にもあった。まず髪の色。メッシュ自体は有り得るものの、髪の色―――浅葱とグレーを混ぜた色―――は珍しいというレベルではなかった。もう一つは彼女の体にある。彼女はプロポーションがよく、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいる。おまけに顔も美少女と呼んでも差し支えない。そんな少女が胸を強調させるような格好をして歩いていれば、男女問わず誰でも目が行くだろう。……よく襲われなかったものである。おまけに下は履いていないのだから、危なっかしい。周りの人たちも、まさか彼女がノーパンノーブラで歩いているとは思わないだろう。
めちゃくちゃな鼻歌を歌いながら上機嫌で彼女は歩いていた……が、突然険しい顔になり、陸上選手顔負けのスピードで走り出した。……屋根の上を飛んでいかなかったのは、更に”常識”を得たためだろうか。だが、これはこれで結構目立ってしまっていた。こんな少女が、陸上選手並みのスピードでいきなり走り出せばそりゃ目立つ。あっという間に彼女の姿は見えなくなってしまった。
■
彼女は今、異形の化物と対峙していた。上半身が鱗の生えた女体、下半身は羽毛が生えた蛇の化物だ。
「悪魔……敵……!」
[ん〜? 誰よ、あんた]
化物がそう言うやいなや少女は駆け出し、ハイキックで化物の顔を打ち抜いた。
[!? なにす――]
間髪いれずに一回転し、もう一発打ち込んだ。その衝撃で化物は吹き飛ぶ。一発目はどうやら”ジャブ”的なものだったようだ。
[――っ 許さないわよ! 小娘!]
化物は両手を槍のように変え、彼女にジグザグに詰め寄っていく。不規則な軌道を描いている上スピードもある為、並のものでは目が追いつかない。よく見ると、槍から何かが滴っている。それが地面に落ちた瞬間、ジュゥという音を立て地面が溶けた。かすっただけでも危ないかもしれない、そんな状況にもかかわらず―――
「ふふっ……」
彼女は笑っていた。これから起きることが楽しみで仕方ないと言わんばかりに。
[何がおかしい!? ふん、ならそんな顔をできないようにしてあげる!]
化物が槍を突き出した―――その瞬間―――
轟音を立てて化物が吹き飛んだ。破壊された槍が二本とも宙を舞い、地面に突き刺さって溶かす音を上げる。それから少し遅れ、化物が地面に叩きつけられた。
[!? ―――っ!?]
化物は何が起こったかわからないという顔だった。どう見ても槍は彼女を貫く機動だったのに、彼女は動いてはいないのに―――
――いや、
[何……なの……? 何なの!?]
彼女はちゃんと動いていた。でなければ、化け物は吹き飛びすらしないだろう。
[何なのよ、あ
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