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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第6話 母の願い・妹の誓い
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今でも、美桜に説教されていた両親の姿が目に浮かぶ。
けれども、彼女のおかげで親の了承を得られ、海外に渡り、本場で修行し、パティシエに為れた。
彼女は紛れもなく、今の自分を形成するのに一役買ってくれた恩人だった。


「だから、美桜が葛葉を預けに来たとき、断る事は出来なかった。学生時代でも見たことないくらい切迫した雰囲気を出してたから」

「今、何処で何してるんだろうね」

「そうね……何処にいるんだか。生きてくれていたら、良いんだけど・・・・」


美由紀が桃子の重苦しい言葉に「大袈裟な……」と言葉を漏らすと、新たに入店してきた客の接客に赴いて行った。
美由紀が遠ざかっていくのを眺めながら、葛葉を預かってから抱き続けている嫌な予感が頭を過
一度、士郎のコネクションを頼り、世界中から情報を集ったが消息は掴めなかった。
彼女は忽然とこの世界から姿を消したように思えた。

ーーもう……この世に居ないのではないかと……。

桃子は頭に過る悪い予感を振り払うように頭を振る。
心を落ち着かせ、冷静になるように一度深呼吸をすると、厨房にいる息子を想いながら、親友の事を思い浮かべる。
あれから、9年・・・・。
彼女の言葉通り、葛葉は優しい男の子に育った。

一度で良い・・・・。

一度で良いから・・・・。

もし、生きているなら・・・・。


葛葉(あの子)に会いに来なさいよ、美桜・・・・」


何処にいるかもわからない。
葛葉の本当の母が彼に会いに来る事を願いながら。
桃子は息子が料理と格闘している厨房へと戻っていった。











★★★★★



ーー所変わって、葛葉がせっせと翠屋にて料理に励んでいる頃・・・・。

海鳴市内にある高台。
敷地が広く、心地好い風が流れている。
そこでは、二人の少女と一匹の動物が何やらしている。
周囲には、彼女達以外の人影がなく、少々違和感のある空気がする。


「なのはちゃん、準備OKだよ〜」

「ありがとう、サクラちゃん」

「凄い……かなり強度な結界だ……」


現在、高台の周囲はサクラの構築した結界が展開されていた。
悠久の幻影(アイ・スペース)』の知識を応用した概念魔術結界が周囲を覆っている。
オリジナルの概念魔術(クロノ・カイロス)よりも強度もその効果も劣化、『召還せし者(マホウツカイ)』だけを隔離したり、時間制限が来たら本来の世界を侵食する等の設定はない。
純粋に彼らのこれからの行動を隠す為の空間結界である。


「これなら魔法の事は誰にもバレないし、砲撃をいっぱい打っても大丈夫だよ〜」

「うん……これで魔法の練習が安心してできるね」


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