暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン24 青い瞳は何を見る
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「ねーってばユーノ、こっち来てお風呂入ろうよー。あったかいよー」
『…………』
「どうなんだな、こっち来たのか?」
「ダメ。もう、一体どうしたんだろ」

 僕らが今いるのは、校舎のはずれの方にある温泉の建物。正直こんなレジャー施設並みの風呂場を作るぐらいならレッド寮のごはんにつく沢庵をもう一切れぐらい増やしてほしい。とはいえ、楽しいことに変わりはない。朝起きた時からなんかユーノの元気がないから何かあったのかと思って気分晴らしに連れてきたんだけどやっぱりふさぎ込んだままで、お湯に入ろうともせず岩の上に座り込んでぼーっと遠くを見ている。腰にタオル巻いた格好でそんなことして、寒くないんだろうか。正直、絵面がシュールすぎて反応に困るからやめてほしい。
 この場の空気を変えようとしてか、それとも単に天然なのか。十代がお湯に潜って翔のタオルをひっぺがし、それを翔がメガネに浮き輪というよくわからない装備でバシャバシャと追いかけるのをのんびり眺めていると、いつの間にか海パン姿の万丈目まで入ってきてもっとややこしいことになった。でも、ユーノはやっぱり無反応のままだ。なんかもやっとするなあ、よしこうしよう。

「ユーノっ!ちょっとこっち見て!」
『……おう、ってぶあっ!!?』

 呼びつけてこっちを向いた瞬間、狙い澄まして水鉄砲を食らわせる。ぶるぶると犬のように頭を振って水を払い、ようやくまともにこちらを向いてくれた。

『……何すんだいきなり』
「ほらほら、そんないつぞやの天田みたいな喋り方になってないでこっち来る。ほらサッカーにチャクチャルさんもなんか言ったげて」

 そう言って横を見ると、さっきまで横でぱちゃぱちゃ遊んでいたシャーク・サッカーがふらふらと湯の中のある一点を目指して泳いでいく後ろ姿が見えた。

「あ、あれ?何かあったの?」

 なんとなく気になったので追いかけてみる。するといきなり、底に足がつかなくなった。ちょ、ここってどこも水深1メートルぐらいだと思ったんだけど!?そしてものすごい勢いで落ちて行った先には、なんだかずいぶん広い洞窟のような空間になっていた。………どこここ。なんか服着てるし。デュエルディスク持ってるし。デッキもちゃんと入ってるし。

「安心しろ、オゾンより下だ」
「なんかもういろいろアバウトだよ!………ってあれ、ユーノいつの間に実体化できるようになったの」


 そんな馬鹿話をしているうちに、どさりどさりと十代、翔、隼人、万丈目、おジャマ・イエロー、隼人………じゃない、デス・コアラが落ちてきた。なぜかみんなも服を着た状態で。そして、そんな僕らに声をかけてきた人がいた。

「精霊に導かれしデュエリストとは、貴様達のことか」

 最近このパターン多いな、なんで背後ばっかり取られるんだろう
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