第二幕その二
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も苦しみも笑って過ごしましょう。怖れはしません」
「それもか」
「そうです」
セリムに対して答える。
「私にとって恐ろしいのは私は操を失うことです」
「そなた自身の操をだな」
「そうです。ですから」
また言うコンスタンツェであった。
「どうぞ私を御赦し下さい。その御心で」
「だが私もまた」
今度はセリムの本心であった。
「そなたを」
「神の祝福が貴方にあらんことを」
「忘れよというのか」
「御赦し下さい」
コンスタンツェはまた赦しを願った。
「若しそうでなければ喜んで何も言わずどの様な苦しみでも受けましょう。怒り吠え命じて下さい」
「それは私には」
「ですがどうしてもというのなら」
コンスタンツェはあくまで己の決意を語り続けた。
「死が私を自由にしてくれるまで」
最後にこう言うのであった。セリムは今はコンスタンツェに対してこう告げるだけであった。
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