第二幕その二
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第二幕その二
「例え自由を奪われても心は誇り高く超然としているものよ」
「イギリスの女は全部貴様みたいなのか」
「その通りよ」
不敵な笑みを共の言葉だった。悪戯っぽく胸を反らしてさえいる。
「わかったらとっとと行きなさい」
「ふん、まあいい」
負けてしまったが何とか誇りを失わまいとしての言葉であった。
「今はな。まだ時間がある」
「時間があっても無駄だからね」
今度は腕を組んで威張るような仕草であった。
「このブロンデは安くないんだから」
「ふんっ」
結局退散するオスミンだった。ブロンデは勝ち誇った顔で闇の中に消えていく彼の巨体を見送っていたがそれと入れ替わりに。今度はコンスタンツェが庭に来たのであった。
「コンスタンツェ様」
ブロンデは彼女に声をかけようとしたがそれを途中で止めた。何故なら彼女はこの上なく憂いに満ちた顔であったからだ。その顔を見て彼女も言葉を止めてしまい闇の中で見守ることにしたのである。
「私の中であの残酷な運命が二人を離した時から今に至る。今ベルモンテは私の傍にはいない」
悲しみに満ちた顔で一人闇の中で呟くコンスタンツェであった。
「貴方と共にあった時の喜びは今何処へ。遠く思うことのこの痛みに胸はもう潰れてしまいそう」
その悲しみを語るのであった。
「悲しみは私の定めだというのでしょうか。私は貴方を想い苦しみ傷んだの如く、冬の霜の降りた草の如く不幸な私の心は萎れていく」
悲しい言葉をそのまま続けていく。
「空を行く風にさえもこの胸の辛い痛みは語れない。風もこの悲しみは聞くに耐えないでしょうし。私の嘆きは私自身の胸に吹き戻してしまうでしょう」
言葉を終えた彼女に歩み寄ろうとするブロンデ。だが彼女はまたすぐに隠れてしまうことになった。今度はセリムが来てコンスタンツェに声をかけてきたからであった。
「コンスタンツェ、ここにいたのか」
「はい」
「まだ。考えは決まらないのか」
「申し訳ありません」
こうセリムに俯きつつ述べるコンスタンツェであった。
「私は。それは」
「そうか」
セリムはここで少しだけ己のことを言うのだった。
「私は。私のこの立場からそなたを強引に妻の一人にもできるのだ」
「ですがそれでも私は」
「わかっている。それはしない」
だが元よりセリムにはそのつもりはなかった。かえってあえて言った己の言葉を恥じてさえいた。それでも言わざるを得ないものもあったのだ。
「そうしてもそなたの心は私には向かないのだから」
「太守様には心より感謝しております」
これはコンスタンツェの心からの言葉である。
「ですが」
「そうか」
「あらゆる責め苦が私を待っていようとも」
悲しみつつもまた言うコンスタンツェであった。
「私はその痛み
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