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王道を走れば:幻想にて
幕間+コーデリア:召喚とは
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た美顔を見せた。慧卓は彼女に向き直る。

「それで、話とはなんでしょうか?あと、敬語とか、様を付けるのも別にいりませんよ?」
「いえ、大事な話ですから」
「・・・失礼しました。それで、今日はどのような御用で、ここへ?」
「・・・そろそろ、お話しようかと思いまして」
「何を、でしょうか」
「『召還の器』についてです」

 一瞬それが何を指すのか分からなったが、慧卓は逡巡を経て思い出す。熊美が召喚され、自分がこの世界に招かれた切欠。あの樫の花をあしらった髪飾りの事である。

「・・・漸く出て来た、って感じですね。ついに話さなきゃいけないような状況、って事ですか」
「そうではありません。ただ、ケイタク様にこの『セラム』の空気に慣れていただいた後に話した方が、より冷静に聞いて頂けると思ったので、今まで伏せさせていただきました。・・・迷惑ですよね」
「いえいえ、仕方ないですよ。村の祝祭を受けた後は直ぐに軍の行軍に付き合ったり、はたまたロプスマでエラい事をやらかしたり・・・。異世界にいきなり呼ばれた癖にこの浮かれた行動。後から見ると、とても自分が普通の反応をしていたとは思えません。
 だから今、冷静に物を考えれるこういう時を見計らって、大事な事を話そうとされた王女様の決断は正しいと、俺は思います。ですから、お話頂けないでしょうか?」
「・・・有難う御座います。こんな時に、私の我侭を受け入れてくれて」
「その代わり、また今度デートですよ?」
「ええ。ケイタク様が相手なら、喜んで御付合いさせて頂きます」

 冗談のつもりだったのに、とは口が裂けても言えなかった。彼女の受け入れるような喜色の笑みを見るに、それが本心からの言葉であると分かってしまったからだ。
 思った以上に大事に想われているなと、慧卓は頬に熱を感じながら、コーデリアの真顔を直視して話を聞く。ここまで秘匿されていた、『召喚』に関する話だ。

「『セラム』には幾つか魔法に種類があるのですが、その一つに召喚魔法があります。普通は術者が、獣や虫などを使役したり、または別の場所から何かを転送したりなどする、そういった類の魔法なのです。召喚されるものの中には、勿論、人も含まれています。
 召喚の魔術によって生じるのは、そのものが住む世界と、召喚者の住む『セラム』を繋ぐ、一本の糸のようなものです。この糸を通じて世界の隔壁を越えて、召喚は成立します。これが私達の召喚魔法における一般的な理論です」
「質問させてください。例えば別世界の人間が召喚によって『セラム』に呼ばれた場合、もう元から住んでいた世界での『自分』というのは、一体どうなっているんですか?魂だけ抜かれてしまっているとか、なんて無いでしょね?」
「残念ながら、それについての情報は私にもわかりません。別世界の様子を確かめ
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