彼女の事情
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生は見た目体育教師だけどれっきとした数学教師なんだ』
えぇぇ、そうなの?後ろを向くとあの何か言いたげにしていた彼だった。
仲間の彼が言う事ならきっとそうなのだろう。
「いえ、髪型が素敵だな……と思って」
とりあえず適当に答えた。ちなみに先生は角刈りで髪をいじるような余裕は無い。
「そうか?いやぁ都会から来た水瀬に言われると照れるな」
どうやら満更でもないみたい。クラスの皆は忍び笑いをしてる。ごめんね先生。
そして新しいルーズリーフを一枚取り出して『教えてくれてありがとう』と書き、手紙折りにして後ろにまわした。
その後、幸いにも教科書が余ってたらしく、あたしはすぐにその教科書を受け取り、特に授業内容にも取り残される事も無く、順調に一限目が終わった。
そして休み時間にはお約束の………
「水瀬さんって前はどこに住んでたの?」
「趣味と特技は?」
「好きなアーティストは?最近流行のK−POP?」
「一美って呼んでいい?」
「今週の土曜はヒマ?一緒に遊ばない?」
「彼氏とかいたりする?遠距離恋愛とか?」
「このクラスってどんな感じに見える?」
「どこの部活に入るの?よかったら陸上部に来ない?」
「こら、今は質問タイムでしょ、勧誘しないの」
「もぅ……委員長のケチ」
「ねぇ、さっきの桜先生に言ったことって何?超面白かったんだけど?」
「安土山と今朝なにか話したの?」
質問攻めが待っていました。
ホントに皆同時に言ってくるから返す間が無い、なのに次々と質問されるから最初何を聞かれたか忘れてしまう。
「えっと前に住んでいたのは………」
こうして半分も答えられないうちに休み時間が終わっちゃった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あたしはつぶ餡派かな」
あれから休み時間のたびに質問攻めされ、四限目の終わった後にやっと全部の質問に答えきった。
つ、疲れた〜
今は昼食の時間で皆ご飯を食べてる。この学校には購買があるらしいけど、あたしはお弁当なので利用する予定は無い。
そして質問の合間に小耳に挟んだんだけど蘭の家はこの町一番の大きな家でこの学校では知らない人はいないらしい。
そりゃあ山ひとつ(二つ以上あるかもしれないけど)所有しているのだからお金持ちだと思っていたけど、すごいお金持ちだったんだ。
そんなことを考えながら机にお弁当を広げていると、視界の端に原稿用紙が見えてさらに、見覚えのある単語を見つけた。
そういえば隣の席の水瀬君と後ろの席のええと……木崎君(だっけ?)がずっと自作の小説について話し合っていた。
「ねぇ水瀬君、その原稿用紙って何が書いてあるの?」
あたしが思い切って話しかけると彼はこちらを見もせずに言った。
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