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一日目(4)
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置こう」
 何でだよ?と聞こうとして止めた。確かにどうでもいいことだ。
「そうかい、じゃケータイ返すよ、ありがとうな、お蔭様で僕にも………何してるの?」
 善則はケータイを受け取るとすぐに何やら操作を始めた。
「お前………やられたな………」
 かと思えば何故か凄く哀れむような目で僕を見た。
「やられた?何それどういう意味さ?」
 僕の言葉に善則はそっか、知らねぇのかと呟く。
「メールってのはな、なりすましってのが簡単に出来るんだ」
「なりすまし?」
 なんだそれ?どんな漢字書くんだろう『成須磨師』かな?
「あのな、このメアドはまずこのケータイに登録されてない、つまり俺とは関わりの無い人物だ、そしてそいつが唐橋と名乗った。ここで問題だ、果たして本当にそのメールを発信したのは唐沢本人でしょうか?」
 どうゆうこと?よく分かんないな。っていうか説明まどろっこしいよ。
「そりゃ本人でしょうよ、唐橋って名乗ってるんだから」
「………お前、将来的にケータイ持ったら大変な事になりそうだな」
「もう、結局何が言いたいのさ?」
 いい加減怒るよ?
「だからな、俺のメアドを知っている奴が唐橋になりすまして……つまりは違う奴が勝手に唐橋と名乗ってるだけだって事だよ」

 な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

「つまりはその成須磨師って奴が僕をからかうために唐橋って名乗ったのか!?」
「あぁ、お前の言ってるなりすましは何かイントネーションおかしいけどな……まぁそんな事が出来るのは大体見当がつくけどな」
 と言って善則は教室でも最後尾の席で寝息を立てている悠哉を指差した。
「ケータイでメアドなんて二、三分あれば変更できる、そうすれば登録されているはずもねぇ、元々俺のケータイをお前のスラックスに入れたのも悠哉が面白くなるからって言うから、そしたらこんな笑えない冗談を用意してたなんて………」

「ゆ、許せねぇ………」

 よりによって唐橋さんだと名乗るなんて……………これは冗談にしては性質が悪い、いや、悪意しか感じない!!
「そうだな、これはちとやり過ぎだな、メアドだって何かテキトーだし」
 ふん、十分に楽しんだか?悠哉、だけどこれまでだ………今から服をひん剥いて廊下に晒してやる………

「峰岸君!戻ってきたんだ、良かった。でも昼休みにはちゃんと来てね、待ってるから!!」

 …………さぁ今から………あれ?
「なぁ善則、今の唐橋さんだよな?」
 隣に立っている汗をダラダラと流す友人に聞く。
「さぁ、幻覚幻聴じゃないか?」
 確信犯か!
「そうか、見間違い、聞き間違いかぁ〜……って納得すると思う?僕にはたった今、さっきのメールのやりとりが無かったら有り得ない事を言われたんだけど?」
 汗を流し続ける善則はこちら
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