暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
26話:再開は病室にて
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もまだ納得しないフェイトを押しやり、俺は廊下を歩き始める。

「士!」

そんな俺の背中に叫ぶフェイト。
そのとき、俺は大切なことをしてないのを思い出した。

「そういえば、まだ言ってなかったな…」
「え…?」


「久しぶりだな、フェイト」


顔だけ振り向かせてそう言うと、フェイトは顔を赤くして俯きながら、

「……うん、ありがとう」

と呟いた。

「それじゃ、いくか」

顔が赤いのは気にはなったが、俺はそれを指摘はせず、先を急ぐ。

だが―――


「士……そっち、道逆だよ」


……それを早く言って欲しかった。


















なのはが寝ている部屋に行ってみると、そこには白衣を着た中年の人と、俺と同じ病人(?)用の服を着て体を起こしているなのはがいた。

「あぁ、ハラオウン執務官。ちょっとよろしいでしょうか?」
「はい、なんでしょう」

入るとすぐクロノは外に連れて行かれ、部屋には俺達三人だけになった。

……なったんだが。
中々二人とも口を開かない。ちょっとした沈黙が続く。……ちょっと気まずい…。

「フェイトちゃん……」
「なのは……」

最初に口を開いたのはなのはだ。二人してお互いの名前を呼び合うと、二人の表情から暗さが少し消えた。

「あ、あの…ごめんね、折角の再会がこんなんで。怪我、大丈夫?」
「あ、ううん。こんなの、全然…それより、なのはは?」
「私も平気。フェイトちゃん達のおかげだよ。元気元気!」

なのははそう言って笑うが、フェイトは少し顔を俯かせた。後ろからは解らないが、おそらく……

「フェイトちゃん?フェイト、ちゃん…」

するとなのははベットから出て、フェイトのところへ行こうとする。
だがまだ万全ではないからか、なのははバランスを崩す。

「っ!?」
「なのは!?」

それを見た俺は、すぐに支える為に前に出ようとするが、それよりも早くフェイトがなのはを支える。

「あはは、ごめんね。まだちょっとふらふら…」

万全でないことは、なのはも解っているらしい。フェイトも心配そうになのはを見ている。

「助けてくれてありがとう、フェイトちゃん。それから…また会えてすごくうれしいよ」
「……うん、私も。なのはに会えて、うれしい」

そしてその気持ちを体現するように、二人はそっと抱きしめ合う。




(…俺、空気だなぁ……)

そんな光景を見ながら、俺は場違いな事を考えるのであった。

「士君?その腕の包帯は…?」
「んぁ?あぁ、これか。ちょっと怪人相手に手こずってな」

いつの間にか離れたなのはが、俺の腕に巻かれた包帯
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