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少年は魔人になるようです
第55話 初日はデートと騒ぎで潰れるようです
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もいませんし・・・。


「こ、コホン。きょ、今日はありがとうございました。楽しかったです、とっても……。」

「こっちこそ。久しぶりに刹那と遊べて、楽しかったよ。」


樹の幹に座りこちらを見上げ、クスクスと笑う愁磨さん。

世界樹の淡い光に照らされ、いつもの悪戯な雪の精と言うよりは、儚い木の精霊と言う感じです。


「こんな風に二人で出掛けたのは、初めて、でしたね……?」

「ああー、子供の頃は木乃香とか邪魔者(ナギ達)が居たし、こっちに来てからは警備くらいでしか

一緒にならなかったからな。」


・・・それ以前に、ノワールさんやアリカさんと家に居る事が多かったし、

外に居ても、アリアやエヴァさん・茶々丸さんが後ろにひっついてたし。

今日だって、このちゃんだけじゃなく他の学校の人に声かけられて・・・。


「それで、分かったんです。愁磨さんは、殆どあの家に居る皆の事しか考えていませんが、

あなたを想う人はあの家以外にも居るんだって。」

「いや、まぁ、お前らの事しか殆ど考えてないのは確かだけど……。」


ふとした表情すらも、こんなに魅力的なんですから・・・仕方ない事ではありますが。

外の人以上に、私に向ける顔が優しくて。近くに居ると思って、安心して、油断していました。

ですから――再確認するために、それ以上に、この人に言いたいから。


「愁磨さん。私は、あなたの事が好きです。あなたが……一番想っている人が、誰かも知っています。」

「せつ、な…………。」

「ですけれど、ですから。どうしても、もう一度言いたくて。

私はあなたが好きです。……あ、愛している、と、思います……。」


この上なく緊張しながら、愁磨さんの隣に座る。

・・・結構な人から、意気地無しと言われてきたのですから、

これ以上、無様な姿を晒す訳にはいきません・・・・・・!!


「刹――んッ、ん。」

「ん………ハ、ぁ……。こ、これが、私の覚悟です。い、今までの私だと思わないでくださいね!!」


それだけ言い残すと、翼を広げ、直ちに戦線を離脱します。き、今日は寮で寝ましょう!!

Side out


Side 愁磨

ガッ!

「ふぇっ!?」

「俺から逃げられると思ったか?刹那。」


翼まで使って逃げようとした刹那の手を掴み、引き寄せる。

捕まえられたのが上空十数メートルの位置だった事に、『修行の成果が出ているなー』と

関係無い事を思いつつ。


「に、に、逃げます!!」

「じゃあ、これが終わったらな。」

「あ、ま、待ってください!自分からしないと、心のじゅ、んんーーー!!」

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