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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
テイルズオブソーディア・5
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さんが家族にしたの」
「記憶喪失で養子縁組かー・・・そりゃ話しにくいわ」
「それで、そのお兄ちゃんがどうしたの?」
「それは・・・何というか、どう接したらいいかわかんないの」
「・・・はぁ?どういうことよ?」
何でもその新お兄ちゃんはあまり喋らない、ずっとぼうっとしている、無表情の3拍子が揃っており、しかも記憶がないからあれこれ質問もできない状態らしい。何度かお話を試みたが、自分から喋ることがあまりない彼になのはが一方的に話しかけている形になってしまい、意思疎通が取れているかが確認できないそうだ。
「それでね?おとといの朝ご飯のとき、クロエ君が初めて自分からお喋りをしたんだけど・・・」
「ど?」
「お母さんと一緒にお醤油の種類と目玉焼きの食べ方を語り始めちゃって・・・私、もうクロエ君が何考えてるのかさっぱりわかんなくなっちゃったの・・・」
「それはまた・・・コメントに困るね」
確かにさっぱり分からない。圧倒的な情報不足である。しかし、話を聞く限りそんなに焦ることじゃないんじゃないか、とこの鳳苗は考える。
「さて・・・話を纏めようか。そのお兄ちゃん、クロエ君がなのはちゃんの家に来たのはここ数日の事だよね?」
「う、うん。まだ1週間たってないよ」
「じゃあ別に焦ることないじゃん?」
「・・・ふぇ?」
いやきょとんとしなくてもそんなに難しいこと言ってないよ私。
「人間ってさ、ずっと一緒にいても相手の考えてる事がわかんないなんてよくあることじゃん?勘違いもするし受け付けないことだってあると思う。相手の心を完全に理解するなんて無理だけど、それでも相手を理解したいから近づくの。でもなのはちゃんはまず理解して、それからから声をかけようとしてる。これっておかしいんだ。順序が逆なの」
「逆・・・?」
「理解したいって思うなら、まずはその人の事じっと観察して、何度も話しかけて、その人の反応とか好き嫌い、興味のあるものないものを時間をかけてゆっくり見て確かめるべきだよ。声をかけることが先、理解はその結果なんだ。家族ならそれをする時間はたっぷりあるでしょ?・・・そこまでしても、やっぱり完全に理解するのは無理だと思うけど、そっちはあんまり重要じゃない」
「・・・・・・」
「今すぐに相手を理解しようと思うから焦りが募っちゃうんだ。何も腹を割ってお話ししなきゃ分かり合えないなんてことはないんだから、時間をかけてゆっくりクロエ君を知っていけばそれでいいんだよ」
「お話ししなきゃ分かり合えないなんてことは・・・ない?」
「うん、言葉がすべてじゃない。でも見てるだけでも近づけない。だからなのはちゃんはクロエ君のよくわからないところを含めて全部、ゆっくり見ながら声をかけていけばいいんじゃないかな」
なのはちゃんは寝耳に水だ
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