幕間
Trick26_タチの悪い教師に捕まったんですよ
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。ジュンタと呼ばれた男も信乃を睨みながら
着いて行った。
「信乃。合計40Kgを着けて軽く汗をかいただけじゃん、はぁ」
「体力バカですから。私には“この体”しかありませんし」
その言葉で佐天は思い出した。信乃が能力を使えないことを。
強くてすごい西折信乃。佐天が好きになったこの人は能力なしの努力だけでここまで来た。
そう考えると自分もじっとしてられない気持ちになった。
「私、もう一周だけ走ってきます」
「涙子、まだ走るの?」
すでにバテた友人の一人が驚いたかをして佐天を見る。
逆に黄泉川はそれを聞いてシニカルに笑っていた。
「いいじゃん、いってきな。ただし一周だけだぞ、雨が降るからな」
「はい!」
幻想御手の昏睡から目覚めて佐天は決意していた。
自分も諦めないで前へ進むと。
私の向上心、努力はスピネルが助けてくれる。信乃がくれたブレスレットが助けてくれる。
体力がなくてきついはずだがそれでも自然と笑顔が出てきた。
体力トレーニングの後、再び小萌による講習が行われた。
講習も最後に近づき、小萌が別の話を始めた。
「どうも勘違いしている人もいるようなので、ここで一言念押ししておきますね。
この講習は幻想御手使用者を罰するためのものではありません」
ノートを取っていた生徒も、雨が降っている外を見ていた生徒も一斉に小萌を見た。
「確かに、レベルを上げるために安易に幻想御手に手を出したのは褒められることでは
ないですよ。
ですが、それを必要以上に悔いたり、自分を攻める必要はありません。
罰ということであれば、皆さん意識不明の重体におちいるという辛い経験を
しています。すでに、その身をもって購っているのです。
だから今度はその経験を活かすべきだとは思いませんか?
皆さんは幻想御手を使用したことで一度は本来持っていた能力よりも上の力を
体験しましたね。
つまり黄泉川先生言うところの『自分の持っている限界を超えたぞ』ってやつです」
確かに彼らは自分の上の能力を体験した。
「さあ、それでは最後の講習に入ります。その感覚を思い出してください。
目を閉じて、出来るだけ集中して、できるだけ細かく力を使ったときのことを
思い出してください。
みなさん、それぞれの“自分だけの現実”(パーソナルリアリティ)を獲得、
あるいは強固にする足がかりになるはずです」
(私の、私だけの現実・・・・)
佐天は初めて見た、自分の風を、目を閉じて思い出す。
次の講習は、能力測定。
「ねぇ、テストの結果、どうだった?」
「わたし、ちょっとだ
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