第五十七話
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取り、わざわざ俺の横に飛行してくると、もう一度警告してくれた。
「いや、補助コントローラーの速度じゃ終われたら逃げられそうにない。お前みたいに《随意飛行》なら、また話は違うんだろうが」
重装備でありながらこれほどのエアライドをする連中相手に、補助コントローラーを使っている俺では、出せる速度の関係上逃げることは出来ないようだ。
……ならば、俺がやるべきことは一つ。
「……ナイスな展開じゃないか」
初期装備である安っぽい片手剣を右手で抜き、近くで槍を構えるサラマンダーに対し、自分から向かっていく。
この世界どころかネットゲームでも俺は初心者だが、エアライドには未だ慣れていないとはいえ、今ここで目の前のサラマンダーと戦ってみせる自信ならばある。
なぜなら現実とSAOで鍛え上げた技術もあるが、このALOという世界はSAOと変わっていない、俺はそう実感していたからだ。
エギルにこの世界がどんなシステムか聞いた時、俺が一番最初に思ったことは……俺がSAOで過ごしたシステムと、ALOのシステムは『似ている』ということだった。
魔法と飛翔という存在はともかくとして、レベルアップはなく接近戦の実力はプレイヤーの技術により決定し、プレイヤーをサポートする《ソードスキル》はない……
……二年間生き残ったSAOと同じシステムならば、この世界でも戦えない道理はない……!
「ちょっとキミ!?」
少女シルフの驚愕の声をバックにしながら、俺はサラマンダーが突き刺してきた槍を横に移動して避けながら、お返しとばかりに片手剣をサラマンダーに向かって突き立てた。
「はっ!」
「バカ野郎、そんな片手剣がこの重装備に……ッ!」
その自慢の重装甲には初期装備の片手剣など通用しない、などとタカをくくっていたサラマンダーは、自分の身体に突き刺さった片手剣を信じられない面持ちで見ていた。
「アーマーとアーマーの継ぎ目を狙う……重装甲相手でもこういう戦い方はある。そして、ちょっとでも突破された装甲なら……!」
片手剣が入っているアーマーとアーマーの継ぎ目に片手をねじ込むと、無理やり力付くでその部分のアーマーを外してやると、剥き出しになった身体に片手剣を叩き込んだ。
サラマンダーが持つ突撃槍はこの近距離戦に使うのは向いておらず、補助コントローラーと突撃槍で両手が塞がっている為、手で俺を払いのけることも出来ない。
「でぇぇぇぇい!」
――結果としてそのサラマンダーの戦士は、《リメインライト》と呼ばれるようになるまで、俺の片手剣による連撃を叩き込まれることとなった。
「ふう……もう剣がすり減ってやがる……」
初期装備の片手剣を無理やり使っている自分も悪いのだけれど、
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