第九章 双月の舞踏会
第四話 自由騎士
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の姿に、もう大丈夫だと確信したルイズは、背後に控えるように立つ士郎に一瞬横目で視線を投げかけた後、口を開いた。
「実は、わたしがシロウを探しにアルビオンに向かった時のことなんですが」
アルビオンで士郎の捜索をしていた際、『虚無の使い魔』を名乗る女から襲われたことを語り始めた。
そしてその際、シェフィールドと名乗ったその女がワルドを連れていたことを……。
「そんな……彼が……いえ、それよりもそのシェフィールドと名乗った女性ですが、本当に虚無の使い魔なのですか?」
「まず間違いないかと……あの女は自分のことを『ミョズニルトン』と名乗っていました。全ての魔道具を操るとも、そしてそれを証明するように、無数のゴーレムを操って見せました……あんなことを出来る人がいるなど聞いたこともありません」
しっかりとアンリエッタの瞳を見て答えたルイズは、厳しく引き締めた顔を横に振った。
「使い魔がいると言うのなら、使い手がいるということ……あなた以外にも虚無の使い手がいるなんて……」
不安げに胸元にやった手を握りしめるアンリエッタに、ルイズは口元に手をやると、思案を巡らせるように微かに顔を俯かせた。
「多分……ですが、わたしを含めて虚無の使い手は四人いると思われます」
「? 何故そう思うのですか?」
アンリエッタの問いかけに、顔を上げたルイズは答える。
「アルビオンからトリステインに戻る船の中でシロウたちとの話し合いの結果からです」
「話し合い、ですか。あれ? シロウさんたちですか? あ、ああ。アニエスも加わったのですね」
「いえ、違います」
納得したようにポンっ、と手を叩くアンリエッタに、ほんの微かに苦い顔を浮かべたルイズが顔を横に振った。
「ゲルマニアの貴族であるキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー及びトリステイン魔法学院学院長秘書ロングビル、それと……学院のメイドのシエスタです」
「ゲルマニアの貴族と学院長の秘書と……メイド? な、何だか混沌としていますね」
首を傾げながらアンリエッタは戸惑った声を上げる。
ルイズはそれに少し引きつった笑みを返すと、気を取り直すように一つ咳をした。
「っん。は、はい。おっしゃる通りですが、皆口が硬く信用のおける者たちです」
「そうですか。ルイズがそう言うのならそうなんでしょうね。分りました。と言うことは、その者たちはあなたの力のことを……」
向けられる視線に含まれた言葉に、ルイズは小さくこくんと頷く。
「はい。知っています。どうやら薄々気付いていたみたいで、話した時全く驚かれず……変わらず接してくれます」
「……そうですか」
照れくさそ
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