第十三話 覚醒?
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ん家にいると思うの」
急にお姉ちゃんのことを聞かれて、少しだけ驚いた。
「じゃあ、ついでだし、今からなのはの家に寄っていく」
side 美由希
「じゃあ、準備はいい?」
私は練習用の木刀を構えて、遼ちゃんに聞く。
「いつでも……」
彼女も私と同じように短い木刀を二本構える。
けれど、私たちの構えはかなり違っていた。
私が水平に構えたのに対し、遼ちゃんはそれを持ったまま脱力した感じで床に垂らしている。
隙だらけ、と普通なら思うけどそうじゃない。
たぶん、あれが彼女なりの構え。
「じゃあ、なのは、始まりの合図お願いね」
「うん」
私たちを遠くで見守っていたなのはが私たちの間のところまで近づいてくる。
「それじゃあ……」
大きく息を吸って、
「始め!」
開始の合図を響かせた。
「――――!」
先に遼ちゃんが動く。
左足に力を込めて、跳ぶ。
そしてそのまま右の刀で私に斬りかかる。
私はそれを左で受け流す。
たしかに彼女の一撃は速かったけど、年端もいかない少女の攻撃を受け流すのは簡単だった。
「むぅ…………」
そう呟くと、彼女は左手の木刀を離す。
たぶん、二刀流だと私に通じないと考えたからだと思う。
私が驚いたのはその後だった。
彼女は木刀を地面と並行に構え、左手を添えるように置く。
(あれって…………)
御神流奥義之参・射抜。
御神流の中で最長の射程距離の技にして、最速の刺突。
彼女がとった構えは、それによく似ていた。
そして、予想通りに高速の突きがやってきた。
(やばっ!)
私は『神速』を使って、なんとか左に避ける。
あの年であの速さだと、もしかすると技自体の速さは射抜より上かもしれないとも思えてしまう程、あの子は速かった。
少しだけよそ見をすると、驚いた表情のなのはが見えた。
(たぶん、なのはには見えてないだろうな〜)
遼ちゃんは右手をそのまま折り、左手とクロスさる。
彼女は左腕で右腕を弾き、横に刀をなぐ。
私は同じように右で払おうとした、けど。
「うそっ!?」「え!」
二人の持っていた木刀が威力に耐え切れず、砕けてしまった。
流石に硬直する二人。
「あははは……、これは仕方ないね」
物が壊れてしまっては、続けようがない。
それに続けても同じ結果になるだろうし。
「すいません、木刀、壊してしまいました……」
「いや、いいよ、よくあることだし、それに遼ちゃんも壊れち
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